全国初、アスベスト被害で北九州市の管理責任を認める判決 福岡地裁

西日本新聞 社会面 森 亮輔

 北九州市立総合体育館(同市八幡東区)の設備管理に従事した男性=当時(78)=が肺がんを発症して亡くなったのは、市などが体育館のアスベスト(石綿)対策を怠ったのが原因として、遺族が市と勤務先の管理会社に計3465万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、福岡地裁であった。徳地淳裁判長は、市の管理責任と会社の安全配慮義務違反を認め、計2580万円の支払いを命じた。

 原告側弁護団によると、石綿が使用されている公共施設について、自治体の管理責任を認める判決は全国初。弁護団は「被害者の救済にとって非常に意義がある」としている。

 男性は同市小倉北区の二見修夫さん。判決によると、二見さんは体育館の設備管理を請け負った太平ビルサービス(東京)の社員として、1990~2005年に体育館で勤務。05年に肺がんが見つかり、13年9月に亡くなった。

 判決で徳地裁判長は、体育館は建材などに石綿が使われており、二見さんの勤務当時、劣化した資材が剥がれるなどして石綿の粉じんが飛散する状況があったと指摘。肺がんとの因果関係を認めた。

 その上で「(二見さんが)体育館で勤務を始めるまでに石綿の危険性は広く認識されていた」にもかかわらず、市は06年に除去工事を行うまで、注意喚起や安全対策を行わなかったと判断。粉じんへの暴露は「体育館の設置または管理の瑕疵(かし)に基づく損害」と管理責任を認めた。管理会社も、石綿の使用状況調査や粉じんマスク着用などの対策を怠ったと指摘した。

 市は「判決を十分に検討し対応を考える」とし、体育館については「石綿対策は基本的に終わっており、危険性はない」とした。管理会社は「判決を精査し対応する」としている。 (森亮輔)

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