秋田の農家に生まれ、上京して町工場に就職。苦学して市議から国政へ…

西日本新聞 オピニオン面

 秋田の農家に生まれ、上京して町工場に就職。苦学して市議から国政へ。世襲議員が幅を利かせる永田町で、たたき上げの苦労人が頂点に立った。「令和おじさん」と親しまれ、好物はパンケーキ…

▼菅義偉新首相である。喧伝(けんでん)される人物像よりも、印象に残るのは官房長官当時の記者会見の姿。厳しい質問は「その指摘は当たらない」「全く問題ない」とはねつけ、「もり・かけ・桜」など疑惑が相次いだ安倍晋三政権を守り切った「鉄壁のガースー」だ

▼安倍政権は首相官邸が官僚人事を握り、省庁ににらみを利かせた。それは権力におもねる忖度(そんたく)官僚を生み、不都合な公文書を隠し、改ざんするほど行政組織をゆがめた

▼その中心にいた菅氏のお手本は権謀術数の政治思想家マキャベリだとか。<弱体な国家は常に優柔不断である>との警句を好み、果断さを信条としているそうだが、むしろ<結果さえよければ手段は常に正当化される><愛されるより恐れられよ>という教えの方が浮かぶ

▼首相就任前に菅氏は「国民から見て当たり前じゃないことがたくさんある。そうしたことをしっかりやっていきたい」と語った。ならば、もり、かけ問題など、国民には「当たり前じゃない」前政権の「負の遺産」の清算から始めては

▼<人の上に立つ者が尊敬を得るには、大事業を行い前任者とは違う器であると人々に示すことである>ともマキャベリは言った。

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ