「先生たたえたい」石破派会合に二階氏、漂う微妙な空気

西日本新聞 総合面 郷 達也

 自民党総裁選で菅義偉首相に敗れた石破茂元幹事長率いる石破派は17日、東京都内のホテルで政治資金パーティーを開いた。講師に招かれ登壇したのは、石破氏の前に立ちふさがり、菅氏圧勝を導いた二階俊博幹事長。「堂々たる論戦で立派な総裁選。石破先生の矜持(きょうじ)をたたえたい」とねぎらったものの、微妙な空気も漂った。

 「石破つぶしとか石破たたきとか、果ては石破殺しとか…。何だか恐ろしい言葉が飛び交っていた。過去3回もつらかったが、今回が正直、一番厳しかった」。石破氏は二階氏に先立ちマイクを握り、900人超の参加者に向けて敗戦の思いを率直に打ち明けた。

 この日の二階氏の講演は安倍晋三前首相の体調不良が明らかになる前の6月、石破氏が依頼。快諾した二階氏は石破氏に向けて「期待の星の一人だ」とエールを送り、当時は「ポスト安倍」を見据えた両者の接近ぶりが注目された。

 だが、8月末の前首相の辞任表明で急きょ総裁選になると、二階氏は電光石火で菅氏を担いだ。返す刀で、主敵となった石破氏の武器である地方人気を票に反映させないよう、党員・党友投票を省略するなどした。結果、68票の石破氏は岸田文雄前政調会長にも及ばず、3位に沈んだ。

 「私はもとより、石破先生と同じ田中派の出身であります-」。老練な二階氏は温情もにじませながら「菅総理総裁の下、一致結束して国を前に進める。格段のご協力を」と呼び掛け、石破氏は深々と頭を下げた。石破派中堅は「負け惜しみじゃないが、自民党は戦いの後は融和できるということ。ただ、この惨敗で派閥が今後どうなるのかは見通せない」と複雑な表情を浮かべた。

(郷達也)

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