諫早湾干拓の和解基金、概算要求見送り 農水省方針「訴訟が継続中」

西日本新聞 社会面 山下 真

 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防排水門の開門問題を巡り、農林水産省は、開門せずに和解をするための有明海振興基金の費用100億円について、2021年度予算概算要求に盛り込まない方針を固めた。19、20年度も要求しておらず、同省幹部は「漁業者側との訴訟が継続しており、状況を見守りたい」としている。

 農水省は、開門せずに基金による和解を目指す方針を堅持。新たに就任した野上浩太郎農相も17日の就任会見で、この方針を踏襲することを明らかにした上で「訴訟についても関係省庁と連携し、適切に対応していきたい」と話している。

 一方、漁業者側は非開門を前提にした協議に応じない姿勢を崩していない。同省幹部は「漁業者には基金案に賛同している人もいるが、裁判の審理が続いている。和解協議の可能性が生じれば、あらためて予算要求を検討する」と語った。

 事業を巡っては、国が漁業者側に開門を強制しないよう求めた請求異議訴訟で最高裁が昨年9月、国の請求を認めた福岡高裁判決を破棄。福岡高裁で差し戻し控訴審が続いている。

(山下真)

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