「いいかげん捨てたら?」…

西日本新聞 社会面 前田 絵

 「いいかげん捨てたら?」。入社して引っ越しを繰り返すこと10回。家族や友人から何度このせりふを投げかけられただろう。取材ノートや集めた資料をなかなか手放せず、物を減らして簡素に暮らすミニマリストの対極をゆく生活を続けている。

 そんな折、宮崎県の中学校から15年前に書いた記事について「話を聞きたい」と依頼があった。骨肉腫のため13歳で亡くなった猿渡瞳さんが、闘病生活や命の尊さをつづった作文「命を見つめて」を紹介した記事だという。自宅の押し入れから段ボール箱を引っ張り出し、資料に目を通すと、取材当時の記憶が鮮明によみがえった。

 「本当の幸せは『今、生きている』ということ」「どんなに困難な壁にぶつかって悩んだり、苦しんだりしたとしても命さえあれば必ず前に進んでいける」。コロナ禍の中、オンラインでつながった中学生と共に彼女の言葉をかみしめた。 (前田絵)

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