「栄光のDNA」継ぐ新星 3世代で大学王者へ 花園逃した悔しさ糧に

大分舞鶴高ラグビー部出身・竹部力さん

 10月4日に開幕するラグビー関東大学リーグ戦の法政大に「3世代での大学王者」を目指す新入部員がいる。1年生プロップ竹部力選手(大分舞鶴高卒)は、法大OBでいずれも大学日本一に輝いた祖父と父に憧れ、今春伝統校の門をたたいた。近年低迷が続くチームにとっても「栄光のDNA」を受け継ぐ新入生の加入は頼もしい限り。新型コロナウイルスの影響で自粛していた部の活動も6月中旬から再開され、強豪復活へのろしを上げた。

 岩盤のような分厚い胸板の下に、強くて優しい心を併せ持っている。「体は小さい頃から『縦』も『横』も大きかったです」。竹部選手が巨体をすくめるように照れた。3度の大学日本一を誇る伝統校。竹部家はそのうちの2度に縁がある。ナンバー8だった祖父の肇さん(78)は1964年度の第1回大学選手権優勝メンバー。父の太朗さん(49)はロックで3年生だった92年度に大学日本一となった。

 「気が付いたら…」と父が指導していたスクールで楕円(だえん)球を追い、父に連れられて法大ラグビー部OBの集いにも参加。「法政」に興味を引かせようとする家族の“仕業”とも知らず、小学生だった2010年には、法大出身で日本代表FWとして活躍し、現在は法大FWコーチを務める伊藤剛臣氏のエスコートキッズも務めた。いつしか「おじいちゃんやお父さんと同じ法政にいきたい」と作文にも書くようになった。

 父も大分舞鶴高出身で同じポジション。「重圧はありました」と竹部選手は認める。「今でも忘れられない試合」と振り返る3年時には花園出場を懸けた県予選決勝で大分東明高に14-17で敗れ、県34連覇を逃した。花園に行けなかった代としての悔しさは一生消せない。「あの時に『負けて良かった』と言えるような思い出にしたい。そのためにも、やれるところまでやりきるつもりです」と言い切った。

 大切にしている言葉がある。「一歩前に-です。試合や練習はもちろん、普段の生活でも、きついときに前に出られる人間になりたい」。自負を持つコンタクトプレーだけでなく、アタックやディフェンスも磨いて一日も早くチームの戦力になりたいという。 リーグ戦で昨年度6位に甘んじた法大は1924年創部。竹部選手が4年時に創部100周年の節目を迎える。「しっかりと体をつくって、自分なりのプレーをしていきたい」。自身の成長とチームの再建。この二つの曲線が重なれば、竹部家3代の夢が紡がれる。 (西口憲一)

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祖父、父に憧れ法大に

 ◆祖父の肇さん「(孫の法大進学で)ずっと願っていた小さな夢がかないました。本当の夢は、孫がプレーしているピッチで日本一の瞬間に立ち会うことです。それがかなったら、もう思い残すことはありません」

 ◆父の太朗さん「力(りき)という名前には人としての力、思いやり、懐の深さ…を持ち合わせた人間になってほしいという思いを込めました。高校最後の試合で味わった悔しさを忘れず、努力を続けてほしい」

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