スズメバチの巣、アプリで特定 佐世保高専生が駆除効率化へ研究

西日本新聞 長崎・佐世保版 岩佐 遼介

無線駆使対馬で実験

 佐世保高専の学生4人が、在来種のハチなどを食べる外来種ツマアカスズメバチの駆除に役立つアプリの開発に取り組んでいる。ツマアカスズメバチの羽音を捉え、無線技術を応用して移動経路を特定する。人の目で探すよりも短時間で巣の場所を見つけることができ、駆除の効率が高まりそうだ。

 ツマアカスズメバチは中国南部、台湾、東南アジアなどの原産で、在来種の生態系や農作物に被害をもたらす特定外来生物に指定されている。国内では、2012年に長崎県対馬市で初めて確認。繁殖力が強く、養蜂に必要なニホンミツバチの捕食被害が起きている。

 対馬市と環境省は市民から目撃情報を基に、目視で巣の場所を探す。高い場所に巣を作っていることが多く、専門業者が高所作業車で駆除するという。

 学生は電気電子工学科の猪原武士講師(33)の指導で、ツマアカスズメバチの羽音の周波数が在来種のハチと大きく異なることに着目。複数の場所に設置した集音装置で羽音を捉えれば、移動経路や巣の場所が特定できると考えた。アプリの開発には、少ない消費電力で長距離通信ができる無線技術を活用。地図で羽音が多く確認された場所が分かるようにする。

 5月から研究に着手。8月に最新の通信技術を使って地域課題を解決する総務省主催のコンテストで、研究助成費275万円を獲得。集音装置が安価で、普及や応用がしやすい点が評価された。来年3月まで実証実験を重ねる。

 現在は羽音の周波数の解析や、集音装置とデータの送受信機を連動させる研究を進めている。近く対馬市を訪れ、ツマアカスズメバチの羽音を集音する予定だ。

 対馬市文化交流・自然共生課の神宮周作主任は「人が少ない山あいで繁殖が懸念されている。巣の発見が容易になる仕組みは地元も待ち望んでいる」と期待。プロジェクトリーダーの専攻科1年道上竣介さん(20)は「対馬市の課題解決につなげるために、なんとしても実現させたい」と意気込む。 (岩佐遼介)

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