「誰かの役に立つ経験を」支援学級生の社会貢献サポート 被災地支援など高い評価

西日本新聞 北九州版 野間 あり葉

環境保護など取り組み評価

 北九州市小倉南区の菅生中で特別支援学級を担当する小川亮教諭(39)が、高い成果を上げた行政職員や教職員らを表彰する「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」を受賞した。障害のある子どもたちが環境保護活動や被災地支援などを通じて社会貢献する取り組みが評価された。小川さんは「学校の外でもたくさんの経験をして、自分で考える力を身につけてほしい」と話している。

 小川さんは同区出身。大学卒業後、県立高や民間企業勤務を経て、24歳で中学校教諭に転職。以降、特別支援学級の担任を務めてきた。初めは自閉症の生徒や大声で暴れる生徒にどう関わっていいか分からなかったが、大切にしたのは「同じ目線に立つこと」。列に並ぶ練習や座って話を聞くことなどを根気強く教えるよう心掛けてきたという。

 そのうち、自信がなかったり自尊感情が低かったりする生徒たちに社会貢献を通じて人とつながる機会をつくりたいと考えるようになり、小倉北区の霧丘中在勤中の4年前、「エコネクトプロジェクト」という活動を開始。市内の大学生の協力を得て、特別支援学級の生徒5人が牛乳パックを再利用したリサイクル紙作りや間伐材を使った箸作りに取り組むようになった。

 2018年の西日本豪雨の際は、生徒たちが被災地の広島県産レモンを使った手作りはちみつレモンを学校の近所で販売、売上金の約2万円を全額被災地に寄付した。今春、菅生中に異動した後も、米国の高校生たちと環境問題をテーマにした英語と日本語版の絵本を作る活動などを継続。プロジェクトのメンバーは、両校の支援学級生と元教え子の約50人となった。6~8月は、クリアファイルを使ったマスクキットを約千セット作り、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた北九州空港到津の森公園などに贈った。

 今回の受賞では、国外も含め、NPO、行政、企業などと連携した取り組みが「並大抵の努力と精神力ではできない」と評価された。小川さんは「活動をたくさんの人に知ってもらうきっかけとなった」と喜びつつ「『ありがとう』という言葉をもらい、誰かの役に立つ経験は絶対に彼らを成長させます」と強調する。

 「アワード」は、地方自治体応援サイトを運営するインターネットメディア「ホルグ」(横浜市)が17年から毎年実施。審査対象は現役地方公務員から推薦を受けた人で、今年は113人の中から13人が選ばれた。 (野間あり葉)

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