稲を守り農家の支えに 佐世保の「ジャンボタニシ博士」の挑戦

西日本新聞 長崎・佐世保版 岩佐 遼介

佐世保高専准教授 柳生義人さん(43)

 稲を食い荒らすジャンボタニシを駆除する装置を開発している。生息が確認されている水田は年間10万ヘクタール以上といわれ、完成を待ちわびる全国の農家から激励の手紙が届く。

 ジャンボタニシの研究を始めたのは、佐賀大の学生だった20年ほど前から。希望した環境電気工学の研究室に入り、教授に与えられたテーマだった。いや、正確には「残り物」だった。学生が集まって研究テーマを決める「5限目」を「午後5時」と間違えて欠席。ジャンボタニシは教授が用意した選択肢で、誰も希望しないテーマだった。

 でも、嫌ではなかった。元々、椅子に長時間座っていられるタイプではない。ジャンボタニシの被害をなくすため、電気工学をどのように生かすか。水田に足しげく通い、生態を調べ、試行錯誤を続けた。

 電気ショックを与えても、ジャンボタニシは絶縁体の殻に閉じこもるばかり。雷の日は産卵数が少ないと聞き、フラッシュを浴びせ続けたこともあった。大学院に進んでからも研究に打ち込み、博士号を取得。珍しい「ジャンボタニシのドクター」になった。

 そんな学生時代に培った知識が、現在の研究の土台になっている。

 水槽の両端にプラスとマイナスの電極を設置し、電気を流すと、ジャンボタニシはマイナス電極に引き寄せられる。超音波を当てると、数日後に死ぬ。詳しいメカニズムは分かっていないが、応用すれば、水田のジャンボタニシを1カ所に集めて駆除することができると考える。

 2006年に佐世保高専に来てからは、大気圧プラズマの研究に取り組む。手術器具を滅菌する研究で国際学会の賞も獲得した。それでも「ライフワークはジャンボタニシなので」。校内に自分で開墾した水田で、農家の期待に応えようと実験を重ねる。

 当面の懸案は、佐世保市内でより効果的な実験ができる水田と研究費の確保だ。 (岩佐遼介)

私の好きな休日

 家族5人での炭焼きバーベキューが憩いの時です。自宅の庭で毎週末のように興じていた頃もありました。実験用水田のジャンボタニシの数を把握する作業は欠かせないルーティンで、子どもたちに手伝ってもらっていました。ねぎらう意味でも、近く家族みんなでバーベキューをしたいですね。

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