「興味あることに食い下がれ」99歳画家野見山さん 後輩にアドバイス

西日本新聞 筑豊版 丸田 みずほ

母校ゆかりの嘉穂高付属中で交流

 東京芸術大名誉教授で画家の野見山暁治さん(99)による特別授業が24日、福岡県飯塚市の嘉穂高付属中であった。野見山さんは授業に参加した2年生約70人に「絵はうまくなるほど個性がなくなる。人がどう言おうと、感じたままに描いたらいい」と語りかけた。

 野見山さんは旧穂波村生まれで、旧制嘉穂中(現嘉穂高)を卒業。同校とは作品を寄贈するなど交流を深めており、特別授業は今年で5回目。

 授業の前半、生徒は大きな円になって座り、割り箸と墨汁を使って近くにいる友人の姿を色紙に描いた。その後、野見山さんは気になった絵を選んで生徒の前で講評。「ここには僕がいる、ということが感じられる」「かわいらしくていいけれど、もう少し外に出て行く力があればいい」などと解説し、時折独特な言い回しに笑いも起きた。今年は例年と違い、全員マスクを着用していたことから、「マスクをしていても、この辺りに鼻や口があると分かるような絵だ」と語る場面もあった。

 野見山さんは生徒の絵を見ながら、たびたび「おもしろい」と口にした。「絵の世界は、おもしろみがなく正確でお利口さんな絵は、よく思われない不思議な世界だ」と野見山さん。「うまく描こうとせず、見たままを素直に描いて」と呼び掛け、最後に「僕は勉強はできなかったけれど絵描きになれた。やりたいこと、興味があることに食い下がることが大切」と力を込めた。

 榊原唯さん(14)は「自分は絵が得意ではないけれど、それも個性でいいんだと思えた」と話した。

 野見山さんは東京在住で、毎年夏は糸島市のアトリエで過ごす。今は、来年東京などで予定している100歳記念展に向け、制作に精を出しているという。授業終了後には、近く100歳を迎える野見山さんに生徒からバースデーソングが送られるサプライズも。自身の年齢など気にしたことがないという野見山さんだが、「ありがとう」と顔をほころばせた。 (丸田みずほ)

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