解散時期悩める菅政権 高支持率か仕事重視か 与党内に賛否コロナが鍵

西日本新聞 総合面 森井 徹

 政府、与党で10月下旬の臨時国会召集見通しとなったことで、衆院解散・総選挙の時期を巡る思惑が入り乱れている。高い支持率を背景に早期解散を求める声は根強くあるが、「働く内閣」を掲げた菅義偉首相が看板政策の「実績」作りを進めており、一時は取り沙汰された早期解散は遠のいたとの見方も浮上している。年内か、年明けか、来夏か-。首相の“本心”は見えない。

 「アンテナを高くして、スピード感を持って国民の皆さんの期待に応えたいと思う」。就任から1週間を迎えた23日、首相はこう意気込みを述べた。

 首相は不妊治療対策やデジタル庁の新設など、自らが掲げた政策の担当相に次々と指示を出し、スピード感をアピールする。

 こうした政策への期待感もあり、報道各社の世論調査で内閣支持率はいずれも60~70%台と高く、2012年の第2次安倍政権発足時を上回っている。

 高い支持率を背景に、党内では「ご祝儀相場が続くうちに」と早期解散を求める声は根強い。下村博文政調会長は21日のBSフジの番組で「(自分が選対委員長だったら)自民党国会議員のほぼ総意で、即解散」と明言した。

 一方、野田聖子幹事長代行は24日のTBSのCS番組収録で「解散を強行して、国民に説明責任を果たせるのか」と慎重な姿勢を示した。連立を組む公明党は「コロナ禍で理解は得られない」として早期解散への警戒感を強めている。

 政府、与党は臨時国会の召集時期を10月23日か26日を軸に調整している。英国との経済連携協定(EPA)の承認案や、コロナのワクチン接種で副作用が出た場合の賠償を政府が肩代わりする法案などの提出が見込まれており、与党内には「重要法案の成立は必要で、選挙は早くても12月」との見方もある。だが、首相が掲げた「実績」がない中で、解散に踏み切れば世論の反発を招く恐れもある。

 年内解散がなければ、新年度予算の審議や東京五輪・パラリンピックなど日程が詰まっており、判断のタイミングは限られてくる。首相に近い党幹部は「最速で来年1月召集の通常国会冒頭か、予算成立後の4月だ」と明かす。

 ただ首相は携帯電話料金の値下げや、省庁の「縦割り打破」など看板政策の加速化を指示しており、与党内には「菅カラーを出したいのか、早期解散を想定した実績作りなのか読みにくい」と困惑する声もある。

 解散のタイミングは新型コロナの感染に大きく左右される。コロナ対策を最優先に掲げる首相だけに、選挙期間中に感染が広がれば国民の批判を招きかねない。自民関係者は「解散の大義がないまま、高支持率に誘惑されて解散すれば足をすくわれる。ギャンブルだ」と警鐘を鳴らす。 (森井徹)

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