【動画あり】アニメ「聖地」を列車で巡礼 鉄道記者のマニアックな旅

西日本新聞 中原 岳

 鉄道とアニメ作品は、意外と相性がいい。大ヒットした新海誠監督の「君の名は。」(2016年)では、重要な場面で東京を走る電車が登場。細田守監督の「サマーウォーズ」(09年)では、主人公が北陸新幹線や長野県の上田電鉄に乗る。九州の鉄道風景が描かれた名作も多く、沿線住民や利用者なら、思わずニヤリとするだろう。今回は作品の世界を追体験しようと、列車に乗って福岡市、佐賀県唐津市、長崎市を巡る旅に出た。

鉄ガクの旅(5)九州の鉄道とアニメ編

 実在するアニメの舞台を訪ね歩くことを「聖地巡礼」という。最初に向かったのは、2018年公開の劇場アニメ「君のすいぞうをたべたい」の聖地、JR博多駅。同作は好奇心旺盛な女子高校生、山内さくと、他人に興味がない級友の「僕」の青春の日々を描く。

 膵臓の病気で余命わずかのさくは、クラスメートの「僕」を強引に誘って、福岡へのお泊まり旅行を計画。N700系新幹線から降り立ったばかりであろう桜良が「初上陸!あぁ、ラーメンのにおいがする!」と興奮気味に言った場面の背景に、博多口の駅舎が出てくる。

「君の膵臓をたべたい」で、桜良(左)と「僕」が博多駅から福岡の街へ繰り出すシーン(C)住野よる/双葉社(C)君の膵臓をたべたいアニメフィルムパートナーズ

 桜良たちが歩いた駅前広場に着いた。建物の形状だけでなく、行き先案内の看板の位置まで一致。細かい作画に脱帽した。はしゃぐ桜良の声が本当に聞こえてきそうだった。

博多駅博多口の実際の風景。建物の形状や右奥の行き先案内板は、アニメでもそのまま描写されている

 同作品では、西鉄福岡(天神)駅前も登場。ガイドブックを片手に信号待ちをしている桜良たちの姿が描かれている。

 福岡市地下鉄天神駅で途中下車し、天神バスセンター前交差点に立った。近くの駐輪場を示す案内板やニュースが流れる街頭ビジョンも作中と同じ位置にあったが、同じ構図で写真を撮るには、バスや車が走る渡辺通りの車道に出るしかなさそうだった。あまりにも危険だったので、諦めて歩道から撮影。天神駅に戻り、再び地下鉄に乗った。

エンディングのシーンと同じ席に

 続いて向かったのは、唐津市。地下鉄からJR筑肥線に直通する快速西唐津行きに乗った。車両はJR九州の305系。実はこの電車の車内が、16年に地上波放送された「ユーリ!!! on ICEアイス」に出てくる。

 同作はフィギュアスケート選手、かつゆうが、世界選手権5連覇を果たしたロシアの選手ヴィクトル・ニキフォロフの指導を受けて、グランプリファイナルの優勝を目指す物語。ロシア選手ユーリ・プリセツキーら世界各国のライバルと競い合う場面が見どころだ。勇利の故郷、は唐津市がモデルだ。

 305系の車内が登場するのは、各話エンディングのワンシーン。勇利とヴィクトルが、座席に腰掛けて、何やらおしゃべりしている様子が描かれている。

305系の車内で向かい合う勇利(右)とヴィクトル(C)はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会
305系の車内。木材を使った座席や、湾曲した手すりは作品でも再現されている

 勇利と同じ位置の席に座った。木材を使った座席や曲線が特徴的な手すりは、作中と同じ。勇利は車窓に広がる海を眺めながら、ヴィクトルとどんな話をしたのだろう。そんな想像をふくらませているうちに、電車は午前11時37分、唐津駅に着いた。

 

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ