「よそにはない」左官職人が30年かけて自宅の壁を装飾 日田市

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

 大分県日田市石井町の左官職人、古後紀昌さん(78)が、自宅や倉庫などの壁を30年近く掛けて装飾し、このほど完成した。セメントやしっくいの壁には約60年培った技が施されて独特な建物に生まれ変わり、「よそにないものになった」と誇っている。

 古後さんは18歳から左官として働き、これまで中津市の福沢諭吉旧居や福岡市の福岡城大手門、洋館などの工事に携わった。現場では自分の思い描く装飾ができず、約30年前、自宅を自分流に仕上げることを思いついた。以来「人のまねはしたくない」「人にまねされない」という思いで、仕事の合間にコツコツとこてを握ってきた。

 自宅の壁は、黄色がかったセメントを凹凸に塗り、立体的な玉を一直線に配置。上部にはしっくいで白菜の葉、足元はセメントづくりのウサギやカメ、カエルをあしらった。花柄に見える白と黒のなまこ壁にした蔵は知人の職人たちと一緒に装飾し、カッパやサルなどを浮かび上がらせた鮮やかな鏝絵(こてえ)も取り入れた。

 左官の経験もある友人の樋口勝彦さんは「ほかにできない高い技術を持っている。古後さんは日本の名工だ」と称賛。県内外から見学に訪れる左官職人も多いという。

 古後さんは「自宅にはもう手を付けるところはないが、したいことは無限大にある」と新たなチャレンジに意欲を燃やしている。 (鬼塚淳乃介)

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