公明代表に山口氏7選 菅首相との連携に期待と懸念

西日本新聞 総合面 森井 徹

 公明党は27日、東京都内で党大会を開き、山口那津男代表(68)の7選を了承。幹事長に石井啓一氏(62)を昇格させるなど、衆院解散・総選挙を見据え世代交代を印象付ける人事も決定した。右派色の強かった安倍晋三前首相と比べ、より現実主義者とされる菅義偉首相とどう向き合い、連立政権内で存在感を発揮していくか―。新執行部は期待と不安の中で船出する。

 「政治の安定と改革の推進のため、国民目線からの改革を進める菅内閣を全力で支える決意です」

 山口氏は7選を受けたあいさつでこう力を込めると、来賓として登壇した菅氏とグータッチし、連携強化を演出した。菅氏も「公明党の皆さんは、大衆とともにという政治理念の下に国民の声を吸い上げ、何回となく政府に要請を頂いている。心から拍手を送る」と応じ、友党を持ち上げた。

 「平和の党」路線の象徴といえる山口氏。歴代最長の第2次安倍政権を支えながらも、集団的自衛権の行使容認憲法9条改正提起などの政策と平仄(ひょうそく)を合わせるのに苦慮してきた。支持母体・創価学会内にも反発があり、2017年衆院選と19年参院選の公明の比例得票数はそれぞれ、前回選挙より落ち込んだ。

 それだけに、安倍氏ほどイデオロギー色が濃くなく、創価学会中枢とも盤石のホットラインを築いている菅氏への政権継承は望ましい、との受け止めが一般的。斉藤鉄夫前幹事長は、17日のテレビ番組で「平和国家としての存在意義を示すことに共通の基盤がある」と率直に歓迎した。

 ただ、菅氏が打ち出した不妊治療の保険適用などの社会保障政策については「お株を奪われる」との懸念も。山口氏は、この日の記者会見で「公明党が長年取り組んできたテーマだ」とくぎを刺すのを忘れなかった。
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 目下、公明の不安材料は衆院解散の時期だ。

 自民党内には、高い内閣支持率を背景に即時解散を促す空気がある。これに対し、公明は新型コロナウイルス感染症の影響で集会など創価学会の活動が制限されていることから、「早い時期だと厳しい結果になる」(党幹部)との見方が強い。山口氏は事あるごとに「コロナ対策が最優先課題」と発信し、自民の解散論をけん制してきた。

 永田町では、21年度予算成立後の来春も選択肢の一つとしてうわさされるが、7月想定の東京都議選に全精力を傾けたい公明にとっては避けたいのが本音。官房長官時代、消費税の軽減税率導入など公明の主張を十分にくみ取る配慮を示してきた菅氏への淡い期待と同時に、公明内には「今年11、12月の時期の総選挙であればやむを得ない」(党関係者)との声も出始めている。

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 党大会では石井新幹事長に加え、竹内譲政調会長(62)、西田実仁選対委員長(58)が就任。山口氏は「世代交代を図り、党の活力を一層発揮できるようになる」と胸を張った。

 安倍氏とは、太田昭宏前代表(74)がカウンターパートとして密接に連絡を取り合ってきた。山口氏は1998年の党再結成後、代表在職日数が最長を更新中であり、対菅政権では特に「ポスト山口」世代が「党として、対等に話し合える関係を築かないといけない」と関係者。平和と両看板の「福祉の党」として、新たな旗印となる政策を立案することも課題となる。

 (森井徹)

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