離島をコスメ産業で元気に 唐津市のNPO「リトコス」始動

西日本新聞 佐賀版 津留 恒星

 コスメ産業で離島を元気に-。離島振興を掲げる佐賀県唐津市のNPO法人「リトコス」が、同市の離島で育てたヤブツバキなどの植物を化粧品の原料として販売につなげる取り組みを始めた。人口減少や耕作放棄地の増加など島の課題を解決し、新たな経済活動を生み出して活性化させる試みで、島民も期待を寄せている。

 「乾燥させた種子からヘアオイルなどに使われる油を抽出します」。今月14日、宝くじ愛好者に人気の宝当神社で有名な同市の離島・高島。ヤブツバキの実を収穫した高島小の児童や住民に、リトコス代表の三田かおりさん(42)が用途を丁寧に説明した。

 唐津・玄海地域を化粧品の製造拠点にするための産学官連携組織「ジャパン・コスメティックセンター」(JCC、同市)のスタッフでもある三田さんは、4年前から美容商品の原料発掘を担う。仕事で離島に足を運ぶうちに豊かな自然や人の良さに引かれた一方、漁業の衰退や高齢化の進行など島の課題を実感。「コスメ分野を生かして島に活力を与えたい」と7月にリトコスを設立し、高島を中心に活動を始めた。

 島民が耕作放棄地で栽培した植物を買い取って加工するなどし、商社や化粧品メーカーに原料として販売する仕組み。ローゼルやホーリーバジル、キヌアなど、お年寄りでも手軽に栽培できる植物を選び、農薬や化学肥料を使わない自然農法での安定生産を支援する。JCC会員企業に販路を持つ利点も生かし、島民と協力して持続可能な産業を目指す。

 栽培に取り組む野崎久裕さん(71)は「若者が減り、土地が荒れて今のままではいかん。将来的に島が盛り上がるよう、三田さんたちと基礎を築きたい」と意気込む。野崎タマエさん(73)も「若い人と頑張ると元気が出てやりがいを感じる。島でやれることが増え、子どもが地元に関心を持つきっかけにもなれば」と期待する。

 将来的には観光振興も視野に、島由来の原料を使ったコスメ作り体験ができる環境を整えて交流人口を増やす構想を描く。高島での事業が軌道に乗れば他の島にも拡大する考えだ。三田さんは「島が抱える悩みは多々あるが、熱い気持ちを持つ島民たちと一緒にチャレンジして豊かに暮らせる未来をつくっていきたい」と語った。

 (津留恒星)

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