定年後もはつらつと働いている…

西日本新聞 オピニオン面

 定年後もはつらつと働いている。今の仕事場は自治会組織の事務局。無給でも、青少年の育成や祭りの運営など地域を支える活動に生きがいを感じるという。そんな知人男性から嘆きの声が

▼「自分たちの活動が仕事と見なされないのはおかしい。高齢者の社会参画があってこそ『1億総活躍』なのに…」。現在実施中の国勢調査のことだ

▼9月末までの1週間に仕事はしたか-調査票には直近の状況を確認する設問がある。パートやアルバイトを含め、少しでも働いた人は続きの設問に進み、勤務先や職種などを記入する

▼ところが、ボランティア従事者や専業主婦は「少しも仕事をしなかった人」に分類され、設問はそこで終わり。政府統計は「仕事(就業)とは収入を伴うもの」と定義しているからだ

▼人口の1億人超えが国勢調査で判明したのは1970年。当時の高齢化率は7・1%、平均寿命は男69・31歳、女74・66歳だった。以来半世紀を経た今は「人生100年」といわれる長寿社会。高齢就業者は昨年892万人に達した

▼忘れてならないのは、この数字の枠外にいて無償で社会に貢献している人々だ。政府はそこに敬意の目を向け、仕事の定義や統計の在り方を改めてはどうか。ならば冒頭の知人も納得しよう。前例主義からの脱却は菅義偉首相が発した号令の一つ。高給を得ながら仕事らしい仕事をしていない政治家や官僚には退場を願う。

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