福岡市「1社入札」28% 19年度公共工事 3年で19㌽増 競争性失う恐れ

西日本新聞 塩入 雄一郎

 福岡市が発注する公共工事の総合評価方式一般競争入札で、事実上競争がない「1社入札」が3割近くに上っていることが分かった。2016年度は9%だったが、年々増え続け19年度は28%にまで上昇。増加の要因について、市は「民間工事の活発化」を挙げるが、専門家は制度上の不備を指摘している。

 福岡市は12年から、落札予定価格が1億円以上の工事について、入札価格と技術力で落札業者を決定する総合評価方式を導入している。19年度の同方式による一般競争入札の契約件数は144件。うち41件が1社だけの入札だった。

 これらの入札に関して、予定価格に対する落札価格の割合を示す落札率を西日本新聞が調べたところ、把握可能な35件では81・2~90・9%だった。全国市民オンブズマン連絡会議は「90~95%未満は談合の疑いがあり、95%は疑いが極めて強い」としているが、90%以上は13件あった。中には10社が途中で辞退した下水道工事や、最初から1社の入札しかない市営住宅の外壁改修工事もあった。

 市によると、1社入札は、17年度に23%と急増。18年度も25%だった。急増の理由について、市は「そのころから東京五輪向けの民間工事が増えて技術者が不足し、公共工事の受注を目指す業者が減ったため」とみている。市議の一部は、1社入札は競争性が失われ落札額が高くなると問題視するが、市は「入札参加業者の数は落札まで外部には分からず、競争性は失われない」としている。

 これに対し、市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は「同じ業界内なら、どの工事の入札にどの業者が参加するかの情報は分かる。競合相手がいないと分かれば、入札額を上げてくる」と指摘。「市は競争性を高めるよう制度を改善すべきだ」と話している。(塩入雄一郎)

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