菅カラー随所に デジタル、地方創生に力点 破格の増額要求も

西日本新聞 総合面

 菅義偉首相が就任して初となる2021年度予算の概算要求。デジタル化、地方創生といった新政権が注力する分野で大幅な増額を求めた項目が散見され、発足から2週間ながら霞が関が「菅カラー」を強く織り込み、作業したことが垣間見える内容となった。

 首相は9月の自民党総裁選で、「デジタル社会の推進」などを看板政策として掲げた。16日に内閣を発足させると、平井卓也デジタル改革担当相や武田良太総務相らを次々と官邸に呼び込み、予算に関する指示を直接伝達。政府関係者によると、これと並行して官邸官僚からも省庁幹部に対し、看板政策を概算要求に反映させるよう指令が飛んだ。

 積極的に呼応したのが首相がかつてトップを務めた総務省だ。

 地方行政のデジタル化加速に向けた経費には、20年度当初予算の5倍を超える38億円。中でも、都道府県が活用するクラウドシステムのセキュリティー強化支援には32億円と、20年度当初の1億円から破格の増額を要求した。

 この支援策は、高いセキュリティーレベルを満たしたシステムを整備する都道府県に、必要経費の半額を補助する新たな制度。総務省幹部は「菅政権発足を『追い風』と捉え、要求に踏み切った」と強気の背景を打ち明ける。

 内閣府は、人工知能(AI)やビッグデータを活用した未来型都市「スーパーシティ」構想の推進事業として、20年度当初の3億円を大幅に上回る23億円を求めた。

 福岡市や北九州市なども関心を寄せる構想。増額要求は表向き、実現に向けた改正国家戦略特区法の成立を受けた措置だが、首相が官房長官時代から意欲を示し、自民党の二階俊博幹事長も後押ししている。「首相の意をくみ、手厚くした面はある」と関係者。

 首相は、農林水産物や食品の輸出拡大を地方活性化策の柱の一つに据え、特に野生鳥獣肉(ジビエ)の利用拡大では官房長官時に政府会議の議長を務めた。農林水産省は20年度当初比で輸出拡大に2・8倍、ジビエ関連に1・6倍の増額を盛り込んだ。国土交通省も、首相が熱心な災害時の利水ダムの事前放流を拡充する関連経費を要求した。 (東京報道部予算取材班)

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