豪雨、地震復旧費を計上…佐賀オスプレイ関連費も 概算要求

西日本新聞 経済面

認知症被爆者助成費は初

 政府の2021年度予算編成に向けた各省概算要求のうち、九州関連では国土交通省が7月豪雨や熊本地震の復旧復興事業を盛り込んだ。防衛省は輸送機オスプレイ17機の佐賀空港配備計画の関連予算として60億5千万円を要求。厚生労働省は原爆被爆者の高齢化で認知症のリスクが高まっていることを受け、認知症の被爆者がグループホームで受ける介護サービスの自己負担分を助成する関連費用1億8千万円を初めて計上した。

 7月豪雨からの復旧事業として、国交省は流失した熊本県内の橋や国道219号の工事費を要求。熊本地震で被災した村道の工事費、19年8月の大雨で甚大な被害が出た佐賀県の六角川水系の緊急治水対策費用も盛り込んだ。個別の要求額は現時点で示していない。

 九州新幹線西九州(長崎)ルート武雄温泉-長崎を含む全国の整備新幹線については、前年度を上回る整備費を「事項要求」で求めた。長崎ルートで未着工の新鳥栖-武雄温泉は、建設の前提となる環境影響評価(アセスメント)の実施に同意していない佐賀県に配慮し、アセス費の計上を見送った。

 防衛省は、佐世保市の崎辺東地区の施設整備費として138億2千万円を新たに盛り込んだ。海上自衛隊の大型艦船が係留する岸壁や火薬庫、管理棟などを整備する。南西方面における後方支援施設と位置付け、29年度をめどに整備する計画。

 オスプレイ配備計画に関して求めた60億5千万円は、オスプレイを運用する陸自空輸部隊を置く佐賀駐屯地(仮称)の造成工事などに充てる。

 厚労省は、原爆被爆者援護に1222億円を計上。ハンセン病対策で372億円を求め、国立ハンセン病資料館などの学芸員を増員する方針。九州に患者が多い成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルス「HTLV1」研究に10億円、カネミ油症患者の健康実態調査に4億3千万円を計上した。

 環境省は世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄県)に関連し、観光客への情報発信拠点「世界遺産センター(仮称)」の建設費6億7500万円を求めた。まずは奄美大島のマングローブパーク内に設置する。水俣病総合対策関係費は水俣病被害者への医療費支給などに111億円を計上した。

 農林水産省は有明海再生対策事業費に前年度当初予算と同額の17億6500万円を要求した。有明海沿岸4県の資源回復に向けた調査や、アサリなどの生産性向上の技術開発に充てる。

 一方、農水省は国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防排水門の開門問題を巡り、開門せずに和解するための基金費用100億円の要求を3年連続で見送った。漁業者側との訴訟が継続しているため。 (東京報道部予算取材班)

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