GoTo東京発着追加 酒税法改正、家飲み直撃 ウィズコロナの秋始まる

西日本新聞 社会面 梅沢 平 古川 剛光 片岡 寛

 10月に入り、暮らしに密接するさまざまな制度が変わった。新型コロナウイルスで落ち込む観光を支える政府事業「Go To トラベル」は東京発着の旅行が追加され、福岡空港には早くも旅行者の姿が。酒税法改正でビールや日本酒は減税、安さが売りの「第三のビール」は増税となり、家飲みが広がる消費者の家計にも影響しそうだ。

 1日午前、福岡空港。平日でスーツ姿が目立つ中、旅行者の姿も。夫婦で九州各県を巡る東京都港区の自営業宮崎学さん(34)は「8月から延期続きだった念願の旅行。GoToのおかげで体感的には半額になった気分」と声を弾ませた。

 東京の追加で感染の再拡大を懸念する声もある。東京都中央区の男性(48)は「万が一を考えて離島の沖縄ではなく、医療が充実した大都市の福岡を選んだ。気を付けながら楽しみたい」。年間3千万人を数えた訪日外国人旅行客(インバウンド)の回復見通しが立たない中、人口が多い「東京」は何よりの魅力。まずは順調のようだ。

 旅行大手各社によると、東京から九州への観光客はハウステンボス(長崎県佐世保市)のほか、由布院、別府、黒川など全国で知られる九州の名湯を中心に、落ち込みから回復の兆しが見られる。JR九州グループが運営する旅館「奥日田温泉うめひびき」の稼働率は7月が前年の3~4割、8月以降は7~8割に回復し、10月以降も好調だ。

 ただ、好影響を受けているのは事業による割安感が大きい「高価格路線」の宿泊施設が中心。リモートワークの浸透で出張も減っており、ビジネス客をターゲットにしてきた都市部では「厳しい状況が続く」(九州経済調査協会)とみられる。

   ◇    ◇

 関心が高い酒税法改正。ビールは350ミリリットル缶1本当たり7円の引き下げになり、福岡県粕屋町のイオン福岡店の売り場には「酒税が減税!」のボードが登場。“ビール党”を自認する同県篠栗町の橋崎重幸さん(69)は「大助かり」と顔をほころばせた。

 反対に1本当たり約10円引き上げられた第三のビールは駆け込み需要の影響で、イオン九州(福岡市)によると9月の売れ行きは前年比約2割増。改正初日の売り場はひっそりとしていた。

 焼酎は今回の改正でこうした「アップダウン」の対象から逃れた。焼酎王国、鹿児島県の大手「濱田酒造」(同県いちき串木野市)広報の川野修郎さん(46)は「蒸留酒の焼酎は糖質ゼロ。健康志向や節約志向で第三のビールを飲んでいた層にも焼酎の魅力を届けたい」と、「商機」と捉えた。 (梅沢平、古川剛光、片岡寛)

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