仮設住宅用地の確保進まず 熊本・人吉市、水害の低リスク地少なく

 7月豪雨の被災地で仮設住宅の建設や民間賃貸住宅を活用した「みなし仮設」の入居が進む中、市街地が広範囲に浸水した熊本県人吉市では、入居申し込みに対して、住宅用地の確保が追い付いていない。水害リスクの低い土地が元々少なく、建設用地の確保が難航し、多くの賃貸住宅も被災したからだ。避難所暮らしが長引く被災者からは体調不良を訴える声も上がる。

 20人が犠牲になった人吉市では家屋約2300棟が全半壊し、水害から3カ月近くたった1日現在、386人が避難所で生活している。市都市計画課によると、建設型仮設住宅への入居申し込みは約420件。一方、着工した仮設住宅は完成分も含めて11団地347戸。約70戸分の用地が確保できていないという。

 用地確保が難航する最大の理由は、水害リスクの低い土地の少なさ。7月の水害では多くの賃貸物件が浸水被害を受けた。まとまった広さがある市有地の多くが、球磨川の浸水想定区域内にある。市は駐車場や材木置き場など同区域外にある土地の地権者と交渉を進め、これまでに民有地6カ所で建設にこぎつけた。

 自宅が2階まで浸水し、避難所で暮らす男性(76)は自宅に近い第1、第2希望の仮設団地の入居者選定に漏れ「いつまでこんな生活が続くのか。もう体がきつい」と訴える。最近は自宅の片付けを終えて帰ると、入浴施設へも行かずに寝ることが多いという。

 県によると、仮設住宅を建設する7市町村のうち、用地が不足しているのは人吉市のみ。市の担当者は「今月中に建設用地を確保し、全員が年内に入居できるようにしたい」としている。

(中村太郎)

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