農家の日常「百態」紹介 鞍手町で小南双坡企画展

 「鞍手町誌」(1974~80年刊行)の執筆・編集に携わり、名誉町民となった福岡県鞍手町出身の小南双坡(そうは)(本名・朝彦=ともひこ、1912~85)が町内の農業の営み、農家の日常を描いた「百姓百態」を紹介する企画展が、同町小牧の町歴史民俗博物館で開かれている。11月29日まで。入館無料。

 双坡は大学を卒業し、教職に就いた後、従軍。戦後に町内の中学校に勤務しながら「伊藤常足翁顕彰録」など郷土史関連書を執筆。68年からは町役場の指導主事として古月公民館に務め、町誌編さんに当たった。

 百姓百態の制作を手掛けたのも、古月公民館在職中という。自身の記憶にある季節ごとの農作業やワラビ採り、糸紡ぎ、機織り、みそ造り、祭り、わらぶき屋根のふき替え、川魚捕りなど、暮らしのさまざまな風景を色紙に描写。全119作品を町歴史民俗博物館が保管し、約30年ぶりに公開している。

 学芸員の長谷川富恵さん(56)は「農家には季節に応じて百を超える仕事があり、その営みの多様さに圧倒される。養蚕や植林など商品として売るための営みもあり、しっかりと足をつけて生きた人々の誇りやたくましさがうかがわれる」と話す。

 炭鉱住宅から肥やしを得たり、ボタ捨て場で石炭を拾ったりする人々の姿からは炭鉱との関わりが分かる。修験道の英彦山信仰があつい土地柄でもあり、地域の代表者をくじ引きで選び、英彦山参りをして各戸に札などを配る様子も描かれている。双坡が生きた明治から昭和の貴重な記録となっている。

 色紙の裏面には、双坡自身が解説を書いており、表裏両面を収めた12ページのパンフレットを来場者に無料配布している。午前9時~午後5時で、毎週月曜、第3日曜と祝日は休館。同博物館=0949(42)3200。

(安部裕視)

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