「0泊2日」も…工夫凝らす修学旅行 思い出づくりに一丸

西日本新聞 ふくおか版 竹次 稔

 「新型コロナウイルスが収束していないのに、修学旅行は大丈夫でしょうか」。西日本新聞「あなたの特命取材班」に保護者の意見が寄せられた。不安は拭えないが、学校行事が相次いで中止となる中、子どもたちにとって最大級のイベント。実施する学校では、緊急時に対応しやすい近場で宿泊したり、密を避けるため大型バスを使ったりするなど工夫を凝らす。子どもたちの“思い出づくり”に関係者が一丸となっている。

ホテルでマナー講習/大型バスで密回避

 「ナイフ、フォークは外側から順番に使います」。9月中旬、北九州市門司区のプレミアホテル門司港。例年であれば、中国、韓国人客などでにぎわう館内だが、この日は同市小倉北区の中島小(緒方真奈美校長)6年の児童24人が修学旅行(1泊2日)で訪れ、夕食時にテーブルマナー講習があった。

 同市教育委員会によると、9月から小学校(市内129校)の修学旅行が本格化し、11月末まで続く。

 「少しでも思い出に残るおもてなしができないか検討し、マナー講習の案が出ました」と、同ホテルの西野和幸マネジャー。子ども3人が泊まれる部屋も原則2人に絞り、食事会場の配置も対面を避けるなど対策に努める。最も手間が掛かるのが、チェックアウト後に徹底する各部屋の消毒作業という。

 食事後、同小の馬渡琥徹(こてつ)さん(11)に聞いた。「コロナで運動会など行事が減ったけど、きょうは6年になって一番楽しい日。テーブルマナーも思った以上にできた」

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 中島小の一行は初日、大分県別府市の城島高原パークなどを楽しみ、北九州市に戻ってホテルに宿泊した。例年なら大分宿泊だが、子どもたちの体調が悪化した場合、地元の方が医療機関や保護者と調整しやすいと考えたという。市教委も、コロナ禍で客足が遠のく地元ホテルの活用にもつながるとし、近距離観光(マイクロツーリズム)の組み込みを提案。同小は2日目、関門エリアを巡った。

 10月に実施する別の同市内の小学校では、車内の密集を避けようと通常より大きいバスを貸し切る。同校校長は「小学校の修学旅行は一生の思い出。できる限りの準備をしていきたい」と力を込める。

 同市では例年、長崎、大分県などで1泊する県外ルートが主だが、今年は各校判断で地元宿泊に切り替えるところが増えた。児童数の多い一部学校では、いったん帰宅する「0泊2日」の行程もあったという。

 福岡市内でも9月から修学旅行がスタート。10、11の両日、長崎県を訪れた同市東区の千早西小の藤原千恵美校長は「7月から、保護者向け説明会を開くなど慎重に準備した。子どもたちには修学旅行に行けた喜びを、しっかり感じてもらえるよう繰り返し伝えている」と話す。

 今後、感染が再び拡大すれば中止に追い込まれる学校が出てくる懸念もある。同市は直前にキャンセルとなれば公費負担する方針。北九州市も公費負担を検討している。 (竹次稔)

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