海外で人気のマスクは?調べてみると…お国柄反映、政治の影響も

西日本新聞 国際面 坂本 信博 田中 伸幸 池田 郷 川合 秀紀

【あなたの海外特派員】

 新型コロナウイルス対策で暮らしに欠かせない存在のマスク。「海外ではどんなマスクが人気なの?」という声が、西日本新聞の海外特派員(ワシントン、北京、ソウル、バンコク)が読者の調査依頼に応える「あなたの特派員」に寄せられた。調べてみると、マスクにもお国柄が反映されていた。

中国

 新型コロナの集団感染が世界で最初に起きた中国。北京では8月下旬から外出時のマスク着用義務がなくなったが、今も街行く人の多くが白地に水色のマスクをしている。行政機関や企業が職員らに無償配布しているマスクで、社会主義の国ならではと感じさせる。北京在住の50代の日本人女性は「手作りマスクをしていたら中国人の友人から『職場でもらえなかったの?』と心配された」と話す。

 若い世代には日本製のマスクが人気。感染者が大幅に減ったこともあり、上海などではマスクを着けない人も多い。

 マスクが品切れ状態になった1~2月には、眼帯や果物、ブラジャー、おむつを使った手作りマスクが会員制交流サイト(SNS)に相次いで投稿された。当時を知る人は「感染を防ぐ効果は期待できなくても、不安や閉塞(へいそく)感を笑いで乗り切ろうという思いがあったのでは」と振り返る。

米国

 新型コロナ感染による死者が20万人を超えた米国。当初はマスクをする人がなかなか増えなかったが、今では白や青の使い捨てマスクが定着した。

 政治の影響もうかがえる。ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大事だ)運動の高まりで、女子テニスの大坂なおみ選手が全米オープンで着用したような黒いマスクを、若者やマイノリティー(人種的少数派)、民主党系のリベラル層が好んで着けている。「BLM」の文字入りも見掛ける。

 民主党の正副大統領候補のバイデン、ハリス両氏は黒いマスクをよく着けており、大統領選をにらんだ対応とみられる。

 対照的に、トランプ大統領を筆頭に保守層、地方の高齢者はマスクをしたがらない。中には国旗の星条旗をモチーフにしたマスクをする人もいるが、少数派だ。トランプ氏の感染が判明したことで、保守層にマスクをする動きが広がるか、今はまだ見通せない。

韓国

 韓国では、新型コロナ発生前から人気歌手グループのメンバーが黒いマスクを着けていたため、黒いマスクが広く普及。刺しゅうをあしらった麻製のマスクも中高年の女性に人気だ。

 マスクを外した時に首に掛けておくストラップも流行している。長さ50センチほどのゴムひもなどの両端に金属製のフックが付いており、マスクのゴムひもに取り付けて使う。土産物店などで一つ500ウォン(約45円)から販売しており、中高年に利用者が目立つ。

 マスクを外していちいちポケットやバッグに入れる手間が省けるし、紛失も防げるほか、別の利点もある。韓国社会は空気を読めない人物への風当たりが強く、外出時のマスク着用を求める同調圧力も強い。飲食店内や喫煙所などでも、このストラップをしていれば「今はちょっと外しているだけ」というメッセージを発信できるというわけだ。

タイ

 タイでは、非常事態宣言などの感染防止対策が奏功し4月以降、小康状態が続く。マスクは一時品切れが相次ぎ、価格も高騰したが、現在はコンビニなどで1枚10~20バーツ(約33~66円)程度で手に入るほか、路上でも生活雑貨品として売られている。

 バンコク名物の路上販売では、シャネルやプーマなどの有名ブランドや、ミッキーマウスや日本生まれのハローキティなどをあしらったマスクも登場。1枚80バーツ(約270円)と高めで、見るからに模造品のようだが、店員は何度も「本物だ」と強調した。 (北京・坂本信博、ワシントン田中伸幸、ソウル池田郷、バンコク川合秀紀)

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