ステンドグラス作家が「光のテラス」を一般開放 大分・日田市 

西日本新聞 大分・日田玖珠版 吉田 賢治

一般に開放「透明美浸って」

 大分県日田市大鶴町のステンドグラス作家カジワラ・邦さん(72)=本名・梶原邦枝=が、自宅を増築して3面にあるガラス窓に自作のステンドグラス12枚をはめ込んだ屋根付きテラスを造った。英国で技術を学び1982年に帰国後、「いつか完成させたい」と夢見てきた部屋には、ガラス越しに明るく優しい光が差し込む。喫茶室としての利用も練るカジワラさんは「誰でも自由に見学し、ステンドグラスの透明美に浸ってほしい」と話す。

 73年に渡英したカジワラさんは、現地でステンドグラスに魅了され、二つの美術学校に入学し計6年間、作品制作を修業した。数々の賞も受賞して帰国。地元の日田にアトリエを構えて創作活動を始めた。

 国内では草分け的存在で、世界的評価を受けた済生会日田病院(日田市)のロビーのほか、天神地下街(福岡市中央区)のインフォメーション広場といった国内外の公共施設や邸宅に多数の作品を提供。一方で大分市や自宅アトリエで制作教室を開くなどしてきた。

 作品を展示した日田市豆田町のステンドグラス美術館は約10年前に閉館したが、現在も自宅横のアトリエで20~60代の女性4人の生徒に教え、作品づくりも続けている。

 「思い描くデザインに仕上げるため、鉛枠を曲げ、ガラスを切り、はめ込んでいく。そんな作業過程は、何もかも忘れて自分の世界に浸ることができる。ステンドグラス制作の魅力であり、挫折や苦難を乗り越える原動力だった」。カジワラさんは振り返る。

 テラスは広さ6畳ほどで、3面のガラス窓には上下2枚1組でステンドグラスがはめ込まれている。いずれも植物をイメージしたようなデザインで、それぞれ青、緑、ピンク、オレンジといったグラデーションが日差しに映える。制作期間は約8カ月。上段6枚の中央の丸いガラスは、38年前の帰国時に持ち帰ったもので、現在では手に入りにくい貴重品という。

 8月末の完成に合わせ、アトリエ内に小さなギャラリーも設置した。カジワラさんは「色ガラスの高騰などステンドグラスを取り巻く環境は厳しいが、これからは閉じこもるのではなく、多くの人に良さを伝えていきたい。そのために、テラスを憩いのスペースとして活用したい」と話している。 (吉田賢治)

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