コロナ禍、若い世代の意識高まり 政治と"密"に「行動すれば変わる」

西日本新聞 一面 大坪 拓也

 新型コロナウイルス流行で社会課題が次々と表面化する中、若い世代の政治意識の高まりをうかがわせる動きが生まれている。議員活動を学ぶインターンシップの参加学生が例年より大幅に増えたり、若者の政策提言団体が休校で窮状にある研究者の声を政治家に積極的に発信したり-。若者の政治離れが長らく指摘されているが、コロナ禍は主権者意識を育み、確かな変化をもたらすのだろうか。

 「小さな声を拾い、社会を改善するのが政治と感じました」。九州大法学部1年の竹内伸吾さん(19)は夏休みの8~9月、福岡市中央区選出の男性市議の下でインターン活動をした。

 印象に残るのは、経済対策で商店街の団体が販売するプレミアム商品券を地元商店で使えるように依頼する仕事。連日、各店舗を回って窮状に耳を傾ける中で、「もう閉店するから…」と断られたことも。

 大学前期は憧れのキャンパスに通えず、オンライン授業の日々。コロナ禍の報道を通じて社会問題や政治動向に触れ、元々あった政治への興味が膨らんだ。「実社会でいろんな人と関わりたい」とインターンへの参加を決意した。

 若者の投票率向上を目指すNPO法人「ドットジェイピー」(東京)が行った8~9月の国会、地方議員事務所などのインターン事業の参加学生は2013人。前年の1・3倍で過去10年でも増加幅は最大となった。同法人は「コロナ下で参加は減ると思っていたが予想外。発信力のある政治家のメディア露出が増えたことも影響した」とみる。

 調査会社「グリーン・シップ」(同)は、首都圏などで緊急事態宣言が続く5月下旬、携帯電話を使い、無作為による全国調査を実施(2558人回答)。「今、衆院選があれば投票に行くか」との質問に、18歳~20代の401人のうち「行く」と回答したのは272人、「たぶん行く」は67人で合わせて8割に上った。

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 主権者教育の現場も変化を実感する。教員などでつくる「けんみん会議」(埼玉県)が6月、東京都知事選をテーマに都内の地方議員も交えて行ったオンライン勉強会には高校生ら7人が参加。休校や将来の就職を念頭に「教育はどうなるの」「(社会生活に欠かせない)エッセンシャルワーカーの待遇は」などと質問をぶつけ、普段以上に白熱した。

 同会議メンバーの原口和徳さん(38)は「当事者として向き合う問題を通して社会との接点が増え、政治との距離が密になりつつあるのでは」と推察する。

 政策提言を目的に学生や若手社会人でつくる一般社団法人「日本若者協議会」は活動を活発化。5~6月に大学院生らから「休校で研究が遅れ、先行きが心配」といった相談が50件ほど寄せられ、9月には与党と連携し、国の費用助成を受ける特別研究員の採用延長などを求める要望書を財務副大臣に提出。文部科学省の概算要求に反映された。

 「行動すれば物事は変わる」。法人理事の慶応大1年佐々木悠翔さん(18)は手応えを口にする。今後、休校中に中高生の望まぬ妊娠の相談が急増したことから、性教育の充実などを各政党に申し入れる予定だ。 (大坪拓也)

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