空き家情報は住民に聞け 北九州市、自治会や業者から聞き取りへ

西日本新聞 ふくおか版 山下 航

再開発促進目指す

 複数の空き家の一体開発に取り組んでいる北九州市は、防犯・防災面から自治会が再開発してほしい空き家の情報を収集することにした。住宅・不動産業者からも再開発したい空き家情報を聞き取る。再開発するエリアの選定に住民や業者の意見を反映し、空き家の所有者が処分に消極的だった場合でも、業者の意向を伝えて再開発を促す狙いだ。

 市は昨年度、一体開発のモデル事業に着手。個々の区画が小さい空き家が集まっていたり、同じ住宅団地内で空き家が点在していたりする市内3カ所をモデル地区に選定した。市が固定資産税の情報を基に所有者を割り出し、同意を得た上で所有者の情報を業界団体に提供。9月までに2カ所で売買の内諾に至った。

 一方で市は、空き家の固定資産税の支払いには困っていないなどの理由で、空き家を売却しない所有者がいると推測。「空き家に悩む地域の声が所有者に届いていないのでは」などとして、自治会から問題となっている空き家の情報を収集することにした。

 空き家問題に詳しい明治大の野澤千絵教授(都市政策)も「(北九州に限らず)空き家のままでも特に困らないから放置しているというケースは多い」と指摘する。

 市は9月、試験的に空き家が多い門司区で自治会からの情報収集をスタート。八幡東区でも11月から始める。利便性が高い「駅から半径千メートル以内」の空き家を対象としている。

 また市は9月、住宅・不動産の業界団体などでつくる協議会を設立。10月から業者が再開発したいと考える空き家の情報収集を始め、再開発を目指す候補地が業者間でかぶった場合はくじ引きで決めるなどのルールも決めた。

 北九州市の取り組みについて、野澤教授は「なんとなく空き家を置いたままにしている所有者に対し、行政が売却のきっかけを与えられる」と評価。「行政が間に入ったとしても所有者が不明だったり、売却を拒否したりするケースは想定されるが、他の自治体では見られない取り組みで、全国に波及するモデルケースとなるか注目している」と話している。 (山下航)

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