カレーなる地図の謎…製作者探し食べ歩き 熊本・和水町

 熊本市の北側にある熊本県和水町が、近隣のカレー店を集めたマップ「ナゴミカレーロード」を発行している。カレーが特産品というわけではないのに、と町役場に聞いても「人口の割にカレー店が多いからでしょうか…」と煮え切らない回答。掲載店舗を食べ歩き、華麗に謎を解決するぞ!

 町によると、マップが発行されたのは2016年冬ごろ。人材育成や雇用拡大を目的とした国の補助事業で立ち上げた「地域雇用創造協議会」のメンバーが製作したらしい。事業は19年度で終了。企画した人物は分からないまま、店に繰り出す。

 最初に訪れたのは町職員に勧められた、スリランカ出身の店主が営む「わさんたらんか」(和水町江田)。カレーのような味わいのメキシコ料理「モーレ」があるなど多彩なメニューが人気だという。店主のワサンタさん(44)は東京・原宿のメキシコ料理店で働いた後、「田舎暮らしをしたい」と同町に移住し、14年に店を構えた。「人があまり来ないところだと分かっているけど、そこに来てもらうのがうれしい」と笑顔で話した。

「わさんたらんか」のスペシャルカレー

 マップの考案者については首をひねり、「あの店なら分かるかも。カレーもすごくおいしい」と紹介してくれたのが、「大塚カレーと珈琲ユキコ」(同町板楠)。車で約20分かけて向かう。

 たどり着くと、そこは廃校になった小学校。店主の大塚由紀子さん(38)は福岡の名店「スパイスロード」やオーストラリアでカレー修業を積んだ。まろやかなチキンカレーが絶品だ。大塚さんも移住者で、和水町の魅力を「ゆっくりできるところ」と語る。マップについて訪ねると「この店も含め、何店舗かカレー屋ができた時期。確か彼だった…深田さん」。

「大塚カレーと珈琲ユキコ」のチキンカレー

 聞き込みネタを元に再度、町を直撃すると、マップの考案者は深田章一さん(46)であることが判明。福岡市から移住して現在も町内に住み、玉名市の任期付き職員としてまちづくりに関わっているという。

 深田さんに話を聞いた。製作の動機は「カレーが好きだったことが大きい」とか。「大塚さんやワサンタさんなど、外部から技術を持った人が来て、地元の米や野菜でカレーを作っている。地元の飲食店も含めて、点と点をつなぎ、何とか応援したかった」と話した。協議会のメンバーと各店舗を実際に食べ歩いて取材し、約2カ月間かけて完成に至ったという。

 カレーの魅力って、何だろう? 掲載店舗の一つ、南関町の「カフェ3」店主の徳永豊さん(40)は「使う食材やスパイスによって全然味が異なる。作りやすいし食べやすい」と語る。

 マップは熊本県北部や福岡県大牟田市、久留米市など近郊の観光施設や飲食店に置かれている。

 謎は解決したが、掲載されている23店舗のうち、2日間の取材で回れたのは4カ所。全店制覇はまだまだ先になりそうだ。 (綾部庸介)

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