本当にバリアフリー?歩いて調べてみた 段差や穴が次々に…田川市

西日本新聞 筑豊版 吉川 文敬

 福岡県田川市は本年度、伊田と後藤寺両中心市街地を対象に高齢者や障害者、妊婦らが移動しやすい生活空間を目指す「市バリアフリー方針」を策定する。来夏の東京パラリンピックに向けて「共生社会ホストタウン」に認定され、車いすフェンシングチームの事前キャンプも行われる同市は、両地域を核にバリアフリー化を推進するという。2日、障害者ら16人が街を実際に歩き、商店街や道路の現状を確認する「まち歩きワークショップ」があった。記者も後藤寺商店街周辺を歩いた。

 「たった数センチの段差でも車いすは通れないんです」

 JR田川後藤寺駅近くの歩道と道路の段差に、車いすの若本大智さん(19)はあえて進み、後ろに倒れそうになりながら訴えた。計ってみると、わずか5センチほどだった。また若本さんは、側溝のふたに開けられた数センチ四方の穴に前輪が入っただけで、身動きが取れなくなることも実演してみせた。

 後藤寺の商店街でも危険な場所はあった。雨水排水用とみられる側溝では、ふたが横に置かれたまま空いた状態となり、足を踏み外すほどのスペースになっている箇所が数多く見られた。市社会福祉協議会の平畑尚史さんは「視覚障害者が誤って落ちる可能性がある」と語気を強めた。

 商店街周辺に進むと状況はさらに悪化。車がようやく離合できる程度の道路幅のため、幅50センチもない歩道の内側に入ってくる車が続出。「危ない」と声を上げる参加者もいた。幹線道路で交通量も多い国道322号沿いでは、歩道の真ん中に電柱が立ち、車道側にはみ出さないと車いすが通れない箇所もあった。

 1時間ほどの巡回後、各班は問題点を写真と共に地図上に記した。伊田商店街周辺を回った車いすの田篭仁さん(25)は「踏切の段差が大きく、15~20メートルを渡り終えるのに5分はかかった。1人では怖い」と困惑気味。他の参加者からは「点字ブロックが滑りやすい素材だった」「途中で切れていた」などの報告もあった。

 市は、両地域の1500世帯対象に外出時の不便さなどを尋ねるアンケートなどを行った上で、今回の調査結果も踏まえて11月下旬に報告書を作成。策定予定の市バリアフリー方針の基礎資料にする。高齢者代表として参加した市区長会副会長の二場浩隆さん(80)は「街に出てみて、歩きにくさを感じた。今回の結果を、住みやすい街に変えるきっかけにしてほしい」と願った。

(吉川文敬)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ