高齢者施設の災害避難考える 14人犠牲の千寿園、国が検証

西日本新聞 社会面 鶴 加寿子

 7月の豪雨で熊本県球磨村の特別養護老人ホーム(特養)「千寿園」の入所者14人が犠牲になったことを受け、国土交通省と厚生労働省は7日、高齢者福祉施設の避難方法を考える検討会の初会合を開いた。福祉や防災の有識者が園の避難計画や被災時の対応を検証し、全国の施設で同様の被害を防ぐための改善策を本年度中にまとめる。

 国は千寿園が避難計画を作成し、訓練を実施していたにもかかわらず犠牲者が出たことを重視。検討会は課題を洗い出し、全国の施設の防災対策を改善する狙いがある。初会合では、座長に跡見学園女子大の鍵屋一教授(地域防災学)を選任後、国交省が園の計画と被災時の対応を報告した。

 報告によると、園は大規模水害の危険性は低いと認識し、土砂災害のみを対象に避難計画を作成。災害時も計画に沿って入所者を別施設の1階に移すなどしたが、水害を想定した2階への避難のタイミングは遅かった。避難誘導に十数人の職員を配置する計画だったが、実際は職員を参集させられずエレベーターもなかったため、数人がかりで車いすごと入所者を抱えて階段を上がるしかなく、避難に時間がかかったという。

 委員からは「各施設の計画が適切なのか、確認する仕組みが必要だ」「避難開始などを判断する地域の防災リーダーの育成を充実させるべきだ」といった指摘があった。

 検討会は、入所者を迅速に避難させるための設備や体制、適切な避難先の選定、施設同士の連携、行政関与などの観点で協議を進める。 (鶴加寿子)

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