石木ダム建設控訴審住民側差し止め訴え 福岡高裁で初弁論

西日本新聞 社会面 森 亮輔

 長崎県と佐世保市が計画する石木ダムの建設を巡り、予定地の同県川棚町の住民ら403人が工事差し止めを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が8日、福岡高裁(矢尾渉裁判長)であった。住民で原告の岩下すみ子さん(71)は「この場所に仲間と暮らし続け、次世代に引き継ぎたい。その思いが石木ダム事業によって踏みにじられている」と意見陳述し、改めて工事の差し止めを訴えた。県と市は控訴棄却を求めた。

 3月の一審長崎地裁佐世保支部判決は、住民側が訴えた「良好な環境で生活する権利」などは、「工事差し止めの根拠にならない」として請求を棄却した。

 住民側代理人の鍋島典子弁護士は意見陳述で、「住民の主張をどう理解し、いかなる理由で判断したのか、理解に苦しむ」と批判。その上で「控訴審では住民が主張する権利を適正に評価し、(工事による)侵害行為の違法性を判断してほしい」と求めた。

 石木ダムの用地は土地収用法に基づき、2019年に所有権が国に移り、家屋などの強制撤去が可能な状態になっている。住民らが国に同法の事業認定取り消しを求めた訴訟は同年11月に福岡高裁が控訴を棄却し、住民側が上告している。 (森亮輔)

長崎県の天気予報

PR

長崎 アクセスランキング

PR

注目のテーマ