菅首相「推薦名簿見ず」強調…学術会議が行政改革の対象に 

西日本新聞 一面 湯之前 八州 川口 安子 前田 倫之

 菅義偉首相は9日の内閣記者会のインタビューに応じ、首相が会員候補6人の任命を拒否した日本学術会議を行政改革の対象とする方針を示した。「会議の役割に関心が集まっている。これを機会によい方向に進むなら歓迎したい」と述べた。行革と強調することで、任命拒否への批判をかわす狙いがあるとみられ、野党と学術会議側は「論点ずらし」と反発を強めた。

 首相は河野太郎行革担当相に与党と連携して検証させる考えを表明。河野氏はこの日の記者会見で、学術会議に国費から支出する年間約10億円の予算や、約50人の事務局定員の妥当性について「聖域なく見ていく」と述べた。予算執行をチェックする恒例の「秋の行政事業レビュー」などで点検する方針。これに関し、首相は国の機関として「行革の視点で行うのは当然」と強調した。

 首相は自身が任命を決裁する段階で学術会議が推薦した6人は既に除外され、99人だったと説明。推薦段階の名簿は「見ていない」とした。どの段階で除外されたかは明らかにしなかった。安倍晋三前首相からの引き継ぎは「ない」と否定した。

 首相の任命を「形式的にすぎない」とした1983年の政府答弁から「解釈変更を行っているものではない」と繰り返し、学者自身の思想、信条が任命判断に影響することは「ない」と断言。6人を任命し直す考えもないとした。任命拒否理由の説明を求める学術会議の梶田隆章会長との面会に関し「会いたいと言うのであれば会う用意がある」と語った。

 首相が内閣記者会のインタビューに応じるのは5日に続き2回目。

 一方、2011~17年に学術会議の会長を務めた大西隆氏は野党の合同ヒアリングに出席。16年の補充人事の際に、官邸から後任候補の選考段階で説明を求められ、示したリストに注文が付いたことを証言し、「理由を尋ねても明かされなかった」と語った。

 今回の任命拒否について「優れた研究、業績がある科学者から会員候補者を選考する」とした日本学術会議法の規定を引き合いに「法律と違う基準で任命が拒否されたのなら違反だ」と訴えた。 (湯之前八州、川口安子、前田倫之)

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