党内は冷ややか…ポスト菅狙い?下村政調会長、独自色に躍起

西日本新聞 総合面 河合 仁志

 9月の菅義偉政権発足に伴う自民党役員人事で政調会長に就いた下村博文氏が、独自色を出そうとアクセルを吹かせている。日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を政府が拒否した問題で、党内に学術会議のあり方を検討するプロジェクトチーム(PT)を設置すると表明。批判が高まる首相の側面支援に向け、党の議論を自ら主導する姿勢をアピールした。ただ、背後に「ポスト菅」に名乗りを上げたい思惑やライバルへの対抗心が見え隠れし、冷ややかな目も向けられている。

 26日召集予定の臨時国会を前に、与野党攻防の最大焦点に浮上した学術会議の問題に、下村氏は素早く反応した。6日の政調審議会で「政策決定におけるアカデミアの役割を議論していく必要がある」と述べると、7日の就任後初の定例会見では、学術会議から2010年以降、政府への答申や勧告、要望がないと指摘。「活動が見えていない」と断言し、PT設置を発表した。行政改革の一環として組織の体質論に切り込み、政府の任命拒否を正当化する狙いだ。

 下村氏は8日にも、自民支持層に慎重論が根強い「選択的夫婦別姓」を党内議論のテーマにする考えを披露。前任の政調会長を3年超務め、菅氏と首相の座を争った岸田文雄氏との違いや、自らの存在感を印象づけたい意向をにじませた。

 下村氏は当選8回のベテラン。安倍晋三前首相の側近とされ、9月の総裁選でも立候補を模索した。実現しなかったのは、功名心から出る軽はずみな発言がたびたび物議を醸し、支持に広がりを欠いたからだ。

 党憲法改正推進本部長だった18年には、議論に消極的な野党を「職場放棄」と挑発。野党の猛反発で改憲論議が停滞した。昨年9月には、改憲論議のテーマに同性婚を挙げ、伝統的家族観を重視する党内保守派から批判を浴びた。

 学術会議を巡る下村氏の前のめりの姿勢に、所属する細田派の関係者は「『自分が、自分が』の地金が出始めた」と手厳しい。政調会長経験者も「PTの議論は学術会議批判一色になる懸念がある。逆に政府の足を引っ張ることにならなければいいが…」と気をもんでいる。

 (河合仁志)

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