返礼品の規格外めんたいこ人気 福岡県大任町ふるさと納税、前年の13倍

 福岡県大任町のふるさと納税額が急増している。2019年度は前年の13倍、約1億2900万円を達成。本年度は1億8千万円を見込む。最大の要因は昨年末、1万円の寄付で、形が崩れるなどして規格外となった福岡県産めんたいこ1・3キロ(3千円程度)を返礼品として用意したことだった。生産する企業によると、贈答用で本来なら1キロ1万円程度する高級品という。同町は「『規格外品でも品質は同じ』と割り切れる人には魅力的なのでは」と分析する。

 同町のふるさと納税額は、18年度まで1千万円程度で推移していたという。全国では豪華な返礼品で寄付を集める自治体間の競争が過熱。総務省は昨年6月、返礼品の基準を「寄付額の30%以下の地場産品」とする新制度をスタートさせた。一方で県は同月、総務省告示に基づき、県内で生産された辛子めんたいこなど17品目を「地域資源」に認定、県内全市町村が返礼品として活用することが可能になった。

 魅力的な返礼品を探していた町は、めんたいこ製造「鳴海屋」(福岡市)の規格外品に目を付けた。同社によると、贈答用めんたいこの製造過程で形が崩れたり、中身が一部出たりして正規品から外されたもの。従来はスーパーやネット通販に卸され、格安販売されていたという。北島将三社長は「原料の品質や製造方法は正規品とまったく同じ。まろやかな味わいなど鳴海屋の味を堪能できます」と話す。

 昨年11月、町が返礼品に加えると、「1万円の寄付で実質1万3千円分の高級品が贈られてくる」とネット上などで話題となり、寄付が急増したという。町担当者も「正直驚いた」と話す。

 町によると、本年度のふるさと納税額は9月末現在で7870万円。年末に急増する傾向があるので、2億円の大台も視野に入る。一方、鳴海屋によると、昨年度はあまりの人気に提供が追いつかず、返礼品の配送が6月までかかったという。同社は「寄付者をお待たせしないよう、大任町用に規格外品を備蓄中です」と力を込める。

 町は「人口減などで税収が減っている。昨年度だけで手数料などを除いて約4千万円の現金収入となり、本当にありがたい」と話す。用途は基金に積み立てた上で、慎重に検討する方針という。 (吉川文敬)

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