佐世保の中学生39人、地元PRの文具販売へ起業 保護者と住民が株主に

西日本新聞 長崎・佐世保版 平山 成美

 長崎県佐世保市立世知原中の2年生が株式会社をつくり、地元をPRするカレンダーやクリアファイルを販売する。社会で生きる力や職業観を養うキャリア教育の一環で、保護者や近隣住民に事業を説明し、株主になってもらった。今月29日の世知原おくんちで発売する。

 例年は事業所で職業体験をしていたが、主体性や自立性を伸ばそうと初めて起業に挑戦した。

 39人の生徒は最初に世知原町の現状を調べ、過去30年のデータから少子高齢化、店舗の減少が進む課題を把握。「世知原に来る人を増やすために商品を作って魅力を伝えよう」と、風景写真や観光地図が付いたクリアファイルとカレンダーを売ることにした。

 会社の仕組みを学び、6月23日に株式会社グランドコンフィアンスを設立。コンフィアンスは、フランス語で「信頼」を意味する。企業理念は「世知原を伝える/つくる/貢献する」。

 9月23日。生徒は保護者や地元住民を学校に招き、事業の内容を説明して1株500円の株主を募った。「年代を問わず使えるクリアファイルです」「世知原出身者は懐かしいと感じ、世知原を知らない人には魅力を伝えられるカレンダーです」。営業担当の生徒は商品のPRだけでなく、複数の会社にサンプルを注文して発注先を決め、価格を設定することにも触れた。

 参加者が事業規模や株主への利益還元について質問すると、営業担当が「利益の半分を株主に配当し、半分は地域に還元します」などと丁寧に答えた。

 この日発行した株式は目標を上回る131株、6万5500円分。保護者の中村美紀さん(51)は「500円であっても人様のお金を預かる責任は大きい。頑張ってほしい」と期待する。

 一方、生徒たちは事業への理解を得ることの難しさを知った。社長の中川大地さん(13)は「大人に説明するのは威圧感があって、厳しいと思った」。営業部長の中村直承さん(13)も「値段などが明確になっていない段階で、納得して株主になってもらうのは難しい」と振り返った。

 それでも、副社長の林雅人さん(14)は「商品販売を通して世知原に人を呼び込みたい」と事業への思いを新たにする。栗林俊明校長は「大人社会を体験しながら内面が成長している」と生徒の奮闘に手応えを感じている。 (平山成美)

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