平戸の「中江ノ島信仰」漫画に 「切支丹ものがたり」完結編

西日本新聞 長崎・佐世保版 福田 章

 長崎県平戸市は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の中江ノ島や春日集落を題材にした漫画パンフレット「中江ノ島 祈り」を発行した。「平戸切支丹(きりしたん)ものがたり」のシリーズ3作目で完結編。後半は春日集落の名物案内人、寺田一男さん(70)の中江ノ島信仰にまつわる祖父との体験を描いた。

 シリーズを企画したのは地域おこし協力隊員の田中能孝さん(43)。作画は東京のデザイン専門学校を出て、同市崎方町で衣料品店を営む米倉裕治さん(50)。3作目は中江ノ島の殉教の哀史、「聖水」の役割、春日集落の住民の信仰などをA4判8ページに描いた。

 制作に当たり、米倉さんは春日集落の案内所「かたりな」で、寺田さんから少年時代の思い出を聞いた。寺田さんは、10歳の頃から祖父の作太郎さん(故人)と中江ノ島へ聖水をくみに行ったこと、毎年1月2日に中江ノ島が見える丘で長時間祈りをささげたことなどを語った。

 出来上がった作品を読んだ寺田さんは「坊主頭のかわいらしか子どもに描いてもろとった。ちいった恥ずかしかばってん、平戸んためになると思えばうれしかよ」と喜ぶ。

 作中の一男少年は<おじいちゃんは、よく島へ渡るの?>と標準語で話すが、実際は濃厚な平戸弁。寺田さんは亡き祖父に思いをはせ、感慨を口にした。

 「おやじが船員で不在がちだったこともあるが、じいさんな孫の私に信仰や感謝の心ば伝えた。将来、古里が脚光を浴びると見越しとったつかもしれん。こん漫画ば見せてやりたか」

 1万部発行。かたりなや平戸市内の観光関連施設、衣料品店「しみづや」などで無料配布している。

(福田章)

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