「踏み絵」危ぶむ声も 中曽根氏合同葬、国立大の対応分かれる

 17日に実施される故中曽根康弘元首相の合同葬に合わせて、文部科学省が国立大などに弔意を表すよう通知を出したことに対し、各大学の対応が分かれている。九州では弔旗掲揚を決めた大学がある一方、日本学術会議問題に続く教育・学問の現場への「政治介入」とも取れる動きに、危機感を募らせる関係者もいる。

 長崎大(長崎市)は合同葬に合わせて弔旗を掲げる予定で、「これまでも通知があったときは掲げてきた」と担当者。政府が同時に要請している黙とうは任意とするが、教授や職員の共有ウェブサイトに通知を転載して内容を周知した。

 九州工業大(北九州市戸畑区)も弔旗掲揚を行うが、黙とうについては「職員らの個人の自由なので求めないし、お知らせもしていない」としている。

 佐賀大(佐賀市)は、国旗と学章旗の半旗掲揚で対応。同大広報室は「議論は公表できないが、通知を受けて適切に判断した」と説明した。

 対応を検討中なのは九州大(福岡市西区)。同大の男性教授は「『要請』という形で判断の責任を下位機関に投げるやり方は結果的に『踏み絵』となり、強制とは別の意味での怖さがある」と懸念を示した。

 同趣旨の通知は都道府県教育委員会にも送付されている。福岡県教委は既に県立学校には文書で伝達。市町村教委にも送付する予定だが、担当者は「あくまで参考で、強制するものではない」と話した。佐賀県教委も市町教委に通知内容を伝える予定で、長崎県教委は「検討中」としている。

(斉藤幸奈、御厨尚陽、壇知里、徳増瑛子)

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