大群で移動する性質に変化したバッタを「飛蝗(ひこう)」と呼ぶ…

西日本新聞 オピニオン面

 大群で移動する性質に変化したバッタを「飛蝗(ひこう)」と呼ぶ。行く先々で作物を食い荒らす「蝗害(こうがい)」を引き起こす。旧約聖書に、飛蝗がエジプトを襲い全土の草木を食い尽くした、とある。メソポタミアや中国にも伝承や記録が残る

▼人類は有史以来、大規模な蝗害を幾度も経験してきた。その苦難は現代でも。アフリカ東部でことし、過去70年で最悪の蝗害が起きた。1日に数千万人分の食べ物に匹敵する作物を食い荒らすという。その猛威は中東にも広がり、深刻な食料危機を招いた

▼飛蝗の大発生と気候変動の関連が指摘される。サイクロンが乾燥地帯に大雨を降らせ、バッタのえさとなる植物が大繁殖したのがきっかけという

▼それでなくても、干ばつや豪雨などの異常気象による農業被害は世界中で相次いでいる。さらに新型コロナの大流行で国際的な支援や物資の輸送もままならない。天災ばかりか、紛争などの人災も絶えない。多くの国が飢餓にあえぎ、子どもら弱い人々が犠牲になっている

▼ことしのノーベル平和賞は国連世界食糧計画(WFP)に決まった。被災地や紛争地に食料を届けている。コロナ禍の今、国際社会に最も求められる使命だろう

▼「4人に1人が深刻な栄養不足です」「あなたの千円で25人の乳幼児に命を守る食糧を届けます」とWFPのホームページに。私たち一人一人に何ができるのか、考えたい。きょうは世界食料デー。

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