鯛茶名物の「割烹 よし田」4年間博多へ 「磨きかけて天神に帰る」

西日本新聞 ふくおか都市圏版 福間 慎一

自社ビル建て替え、12月末まで現店舗で営業

 「鯛茶漬け」が名物で、福岡市中央区天神1丁目で会社員らに長年親しまれた「(かっぽう) よし田」が、福岡都心部の再開発事業「天神ビッグバン」に伴う自社ビル建て替えのため、来年2月から4年間、博多区店屋町に移転する。天神の中でも「1丁目」に残る数少ない日本料理店。2代目の吉田泰三さん(55)は「さらに親しまれる割烹になって帰ってくる」と、生まれ変わる街での新たなスタートを期している。

 「よし田」は、泰三さんの父幸生さんが1963年、飲食店が集まる「福神街」(現・天神ビジネスセンター建設地の南西部分)で始めた。77年、閉店する料理店の後を受けて現在の場所に移転、81年に自社ビルを建てた。

 泰三さんは店を手伝っていた中学時代から「いつかは跡を」と考えていたという。大学時代も勉強の傍ら店に入り、卒業後は東京・白金台の料亭や福岡の料理店で修業を積み「よし田」へ。2011年に店を引き継いだ。

 昼時になると行列をつくる客の目当ては看板メニューの「鯛(たい)茶漬け」。創業時からあったが、当時は天ぷらやとんかつが人気で、人気が急上昇したのはこの10年という。同じ時期に普及が進んだ会員制交流サイト(SNS)で拡散されたことも影響したようだ。

 タイは多いときで月に3~4トンを使い、店内のいけすから上げたてをさばく。決め手のタレは改良を重ねた泰三さんしか知らない「秘伝」の製法。保存はせずその都度炊き上げるご飯は40年ほど務める専門のスタッフが、お客の入りを見ながら量を調節している。

 客足が好調な一方で、店舗は築40年を経て老朽化。修繕も大変になり、天神ビッグバンで周辺の建物が更新するタイミングに合わせて「よし田」も建て替えを決断した。12月末まで現在の店舗で営業し、その後博多区店屋町で4年ほど営業する。

 新たなビルでの再開は2025年1月の予定。吉田さんは「多くのお客さんに来ていただいた場所をしばらく離れる不安はあるが、味もサービスもさらに磨きをかけて、また天神に帰ってきます」と笑顔で話した。 (福間慎一)

 期間限定で特別メニュー 「よし田」は一時移転を控えた11月と12月の期間限定で特別メニューを提供する。昼は鯛茶漬けや天ぷら、豆乳鍋などの「スペシャルランチコース」(4000円)、夜は鯛茶漬けをはじめイカの生き造りやふぐ刺し、すき焼きなどの「おもてなし会席」(7000円)を用意している。

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