一部旅館でGoTo効果も…観光回復への足取りに濃淡 大分・日田市

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

 新型コロナウイルスや7月の記録的豪雨により、大きな打撃を受けている観光関連業界。政府の支援事業「Go To トラベル」が10月から東京発着旅行も追加され、全国的には上向きつつあるようだ。ならば観光地・大分県日田市はどうなのか。取材すると、客足の増加を実感している宿泊施設や飲食店がある一方、厳しい現状が依然続く観光施設もあり、回復への足取りに濃淡が見えてきた。

 日田市大山町のJR九州グループ「おおやま夢工房」が運営する旅館「奥日田温泉うめひびき」は、新型コロナ感染拡大以前の客足にほぼ戻ったという。宿泊料は高価格帯ながら、GoToを使い「少しぜいたくな旅」ができるとあって若いカップルや家族連れに人気のようだ。来年1月末まで予約は埋まっており、担当者は「支援策の恩恵を最大限に受けている」と話す。

 三隈川沿いの日田温泉街にあるホテル「caffelひなのさと」も回復を実感しているという。ターゲットは福岡の若い女性。ゼロだった4、5月分の売り上げはまだ取り戻せていないが、「例年の6~7割ほどまでは回復した。とてもありがたい」とGoToを歓迎する。

 ご当地グルメ「日田やきそば」を提供する「みくま飯店」も、客の7割以上は観光客で、最近は休日に行列ができるという。店主の吉田明彦さん(64)は「お客が戻ってきてうれしい」と笑顔を見せる。

 一方、古い町並みが残る豆田町。お土産店などからは「依然として厳しい」との声が上がる。ツアーバス用駐車場は休日もがらりとしたままだ。

 豆田みゆき通り商店街の高倉喜久夫会長(67)は「人通りは例年の半分以下、売り上げはもっと少ない」。例年なら秋の行楽シーズンは「日田天領まつり」と「千年あかり」でにぎわうはずだが、今年はいずれも中止。「何かせなと思っているが、とにかくコロナがあるのでなかなか手を打てない」と表情は厳しい。

 7月豪雨の影響で、天瀬町の天ケ瀬温泉街では、休業したままの旅館がある一方で、休日は満室になる施設もあるという。活況を横目に焦燥感を募らせている関係者も多いはず。再開が遅れている業者が復興を果たしても、何らかの支援策を期待したい。 (鬼塚淳乃介)

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