関門海峡を照らし続けて140年超「部埼灯台」重要文化財指定へ

西日本新聞 北九州版 岩谷 瞬 壇 知里

 国の文化審議会が16日に指定を答申した重要文化財に、北九州市内から門司区白野江の部埼(へさき)灯台が選ばれた。九州最古の現役の灯台で、海上交通の要衝とされる関門海峡を140年以上照らし続けてきた。「航行の難所である関門海峡における海上交通の発展を理解する上で歴史的価値が高い」と評価された。

 市によると、部埼灯台は「日本灯台の父」とされる英国人技師R・Hブラントン氏が設計し、1872年1月22日に初点灯した。高さ9・3メートルの重厚な石造りで、周防灘や瀬戸内海西部を望むことができる。今も門司海上保安部が活用しており、灯器などで船舶の往来を知らせている。

 そばには、灯台守の休息の場所だった「旧官舎」(72年築)も現存する。石造りの平屋で、延べ床面積は113・4平方メートル。中に暖炉や小部屋などがあり、昭和30年代まで使われたという。内部は改装されたが、外観は建設当初のままだ。

 丸や四角などの記号で潮の流れを船舶に知らせる「旧昼間潮流信号機」(1909年建設、高さ5・8メートル)も残っており、この二つも一括して重要文化財への指定が答申された。

 灯台、旧官舎は海上保安庁が所有。信号機は今年、海上保安庁の外郭団体から北九州市に無償譲渡された。市文化企画課は「関門海峡の歴史、文化を発信する好機。PRに努めたい」。門司海上保安部は「北九州の観光が盛り上がればうれしい」としている。

 同じくブラントン氏が設計に携わり、部埼灯台の“双子”と称される六連島灯台(山口県下関市)や角島灯台(同市)も今回、国重文への指定を答申された。北橋健治・北九州市長は「文化的側面においても関門連携交流の取り組みが進むことを期待している」とコメントした。部埼灯台が指定されれば、同市内の国指定文化財は12件となる。 (岩谷瞬、壇知里)

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