中洲の時短「コロナ拡大止めた」人出20%減、政府分析

西日本新聞 一面 河合 仁志

 福岡市の歓楽街・中洲の新型コロナウイルス感染者数が、7~8月の増加傾向から減少に転じた理由を分析していた政府は、接待を伴う飲食店などの利用時間を短縮するよう福岡県が要請し、中洲の人出が20%以上抑制されたことが主な要因とする結果をまとめた。歓楽街での成功が、ウイルスの市中感染抑止に直結する。政府は中洲の人出を週単位でさらに詳しく検証し、全国的な対策に生かしたい方針だ。

 5月末の緊急事態宣言の全面解除後に起きた新型コロナの再拡大は、東京・歌舞伎町から全国に広がったとみられ、地方の拠点都市の歓楽街もその“中継地”となった可能性が指摘されている。政府は9月、中洲など全国5カ所の歓楽街を対象に感染抑止対策の強化に着手し、自治体や民間が取ってきた対応などの分析を進めていた。

 西村康稔経済再生担当相が15日、政府の感染症対策分科会に報告した資料によると、中洲の人出は6月下旬から徐々に増え始め、7月20日ごろにピークに達した。数日遅れて人出に連動する形で中洲の新型コロナ感染者数も伸び、8月上旬には1日当たり70人近くに迫った。

 危機感を深めた県が県民に対し、中洲を含む飲食店の利用時間短縮を呼び掛けたのは、8月8日から21日。すると、この期間に中洲の人出は6月14日時点と比べて1日当たり最大で20%以上抑制され、感染者数も減っていった。現在、人出は戻っているものの、感染が再び拡大する兆候は見られないとしている。

 また、福岡市は6月下旬から7月にかけ、中洲の接待を伴う飲食店従業員を対象にPCRの集中検査を先行実施したが、ウイルス再拡大期にまだ入っておらず、希望者も限られていたことから効果はほとんどみられなかったという。東京や大阪では同様の集中検査が感染抑止に結びついており、実施時期などの条件が結果を左右したと考えられる。

 東京ではホストクラブの従業員寮で新型コロナのクラスター(感染者集団)発生が疑われるなど、歓楽街対策は依然として急務だ。

 西村氏は「どのタイミングで集中検査や営業時間の短縮を行えば効果的か、さらに検証を進める」と述べ、10月中に具体案を示す考え。政府の助言機関メンバーの前田秀雄・東京都北区保健所長は「夏の再拡大期をしのいだ中洲でも、従業員の早期受診の態勢を整備、拡充しておくことが必要だ」と話す。 (河合仁志)

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