討論会なく「個別集会」トランプ氏 反転不発か?

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】11月3日の米大統領選で共和党候補のトランプ大統領と、民主党候補のバイデン前副大統領は15日、テレビ局2社が同時刻にそれぞれ開催した有権者との対話集会に参加した。当初は直接対決する第2回討論会が予定されていたが、トランプ氏の新型コロナウイルス感染の影響で中止になり、異例の個別開催となった。劣勢を強いられるトランプ氏は新型コロナ感染からの回復や経済再生への自信をアピールしたが、視聴者を二分する中での訴えがどこまで浸透したかは不透明だ。

 討論会の主催団体はトランプ氏の感染を受け、感染防止のためオンライン形式での開催を決めたが、バイデン氏との直接対決で反転攻勢を狙うトランプ氏が拒否。その後、バイデン氏がABCが激戦州ペンシルベニアで企画した対話集会に参加することを決めたため、トランプ氏も同じく激戦州フロリダでNBC主催の対話集会に出演。それぞれ午後8時から生中継された。

 集会で、トランプ氏は依然として評価が高い経済運営について、改善傾向にある失業率などを例に挙げ「来年はかつてないほど(景気が)良くなる」と強調。投票先を決めていない視聴者に向けて支持を訴えた。

 しかしNBCはトランプ政権に厳しい報道姿勢で知られ、視聴者の多くも政権に批判的とみられる。この日も司会者や民主党支持の有権者から、自身の感染も含めたコロナ対応などに関する厳しい質問が相次ぎ、「感染の危険があっても部屋に閉じこもらず、大統領として多くの国民に会わなければならなかった」と釈明に追われる場面が目立った。

 トランプ氏寄りの保守系メディアが最近、繰り返し報じているバイデン氏の息子とウクライナ企業とのビジネスを巡る金銭疑惑に関する質問も出ず、疑惑の追及で起死回生を図りたいトランプ氏の思惑が外れた。

 一方、大きな失点をしないまま11月3日の投票日を迎えたいバイデン氏は集会を無難にこなし、対話集会の個別開催が有利に働いた印象を与えた。

 両候補の直接対決は22日の候補者討論会が最後となる見通しで、トランプ氏は得意の大規模集会の開催を加速化させるとみられる。ただ、集会には一部の熱狂的な支持者しか参加しないとみられ、態度未定の有権者への支持拡大には手詰まり感が漂う。

PR

国際 アクセスランキング

PR

注目のテーマ