紅葉より赤く染まるモルゲンロートを堪能 四国・石鎚山へ週末遠征

西日本新聞 もっと九州面 納富 猛

 山はもうすぐ紅葉のシーズン。この時期、ぜひ訪れたい絶景スポットがある。それは、愛媛県の石鎚(いしづち)山(1982メートル)。太陽が昇る直前、山頂が紅葉よりさらに赤く染まるという。九州から四国までの移動が大変そうだが、フェリーを使えば意外に簡単に行けそう。名付けて「西日本最高峰・石鎚山へ週末遠征」。西日本新聞社が発行する「季刊のぼろ」の編集スタッフ4人が挑戦した。

 一行は金曜夜、福岡市から車を飛ばし、北九州市の小倉港へ。午後9時55分発のフェリーに乗り、翌朝5時に松山港に到着。愛媛県中部の久万(くま)高原町にある面河(おもご)渓に着いたのは午前7時。フェリーを使うと早朝から行動できるのがいい。高速道路を車で行く選択肢もあるが、フェリーの方が楽だ。体力は登山にとっておこう。

 ここから2班に分かれ、山頂を目指す。南から石鎚山にアプローチする「面河ルート」をたどるのは若手の2人。標高差1200メートル、頂上まで約7時間。距離が長い上、滑りやすい絶壁の道もあるハードなルートだ。

 隊長とカメラマン、共に還暦に手が届く“アラカン”の2人は、東側から石鎚山に登る「土小屋ルート」を選択した。面河渓から石鎚スカイラインへ入り、30分で土小屋の登山口に着く。ここには今年7月「土小屋テラス」ができた。カフェやモンベルショップのあるおしゃれなスポットで、とても標高1500メートルの山の中とは思えない。ここからは尾根道を2時間半進めば頂上に立てる。道はよく整備され、眺めもいい。標高差も480メートルだから初心者も楽しめるマイルドなルートと言える。

 ハードとマイルドの二つのルートをたどった4人が、再び顔をそろえたのは、三の鎖の取り付き。石鎚山には急傾斜の岩場に四つの鎖が張られている。三の鎖は長さ68メートルで、頂上直下にある。登山道は別にあり、鎖は修行用。太さが5センチもある鎖は、修験道の場である石鎚山の象徴と言える。

 この長大な鎖場に、若手が尻込みする中、挑んだのは最年長の隊長。仕事でも豪腕だが登り方も力任せ。ぐいぐい登っていく。アラカン、恐るべし。

 頂上にある石鎚神社奥宮頂上社に参拝し、この日は、頂上山荘に宿泊。そして翌朝午前6時前、待ちに待った瞬間がやってきた。石鎚山のピークの一つ、天狗岳が群青の空に浮かび上がり、オレンジの光を浴びて輝く。深紅から朱へ、そして黄金色へ。わずか数分間のモルゲンロート(朝焼け)を堪能した。

 石鎚山への週末遠征の全貌は、発売中の「季刊のぼろ」30(秋)号で。

 (写真・納富猛、岩永正朗)

身近な紅葉を特集 「のぼろ」秋号

 最新号の季刊のぼろ30(秋)号では、「石鎚山週末遠征」に加え、「身近な紅葉」を特集。作礼山(佐賀)、小岱山(熊本)、四王寺山(福岡)など錦なす紅葉が楽しめる穴場の低山を紹介している。定番のベストルートは五家原岳(長崎)など。これから深まっていく山の秋を味わい尽くすための1冊。1000円。主要書店や西日本新聞ビジネス編集部=092(711)5523。

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 福岡県糸島市の井原山山中で9月14日、「季刊のぼろ」の野中彰久編集長が遺体で見つかりました。登山中に沢周辺で滑落し、死亡したとみられます。この事故に伴い、糸島市や県警糸島署などは現場のある洗谷(あらいだに)ルートの登山を禁止しました。西日本新聞社は本紙(14日付)とのぼろ31(冬)号で事故を検証し、事故の再発防止と安全登山を提唱します。

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