なぜ、こんなに?佐賀市だけで830体以上 街に笑顔の石像

西日本新聞 佐賀版 岩崎 さやか

 夏の人事異動で佐賀総局に着任し、佐賀市での暮らしにも慣れてきた。でも、気になることがある。至る所に点在する笑顔の石像。地元の人に尋ねると「えびす像」だとか。どうしてこんなに…。疑問を抱いて街に出た。

 調べると、えびす像を巡るツアーなどを企画している団体がある。恵比須(えびす)DEまちづくりネットワーク。同市呉服元町にある拠点、開運さが恵比須ステーションに向かった。

 対応してくれたのは代表の村井禮仁(れいじ)さん(87)。今から約400年前、初代鍋島藩主鍋島勝茂が兵庫県西宮市のえびす宮総本社、西宮神社に分霊を要請したのが始まりだという。

 「佐賀市だけで830体以上。その数は日本一」と村井さん。「踊り恵比須」や「そろばん恵比須」など個性豊かなえびす像にも出会えるそうだ。さらにこんなことも教わった。「えびす様を祭る神社があります。コロナ禍ならではの取り組みもしていますよ」

 訪れたのは佐賀市諸富町の新北(にきた)神社。「こちらが皆さんが拝んでいかれるえびすさんですね」。禰宜(ねぎ)の川浪ひとみさん(63)が案内してくれたえびす像は、タイを脇に抱え、目を細めてほほえんでいる。県外からの参拝も多いそうだ。

 新北神社の御朱印には、疫病封じの妖怪「アマビエ」が描かれていた。描いたのは宮司の川浪勝英さん(65)。構想からデザインまで妻のひとみさんと2人で完成させたという。

 「見た瞬間に明るい気持ちになれば」とひとみさん。コロナ収束まではアマビエの御朱印を出すという。

 ネットワークの事務所のそばにある老舗和菓子店、ひぜんえびす屋にも訪問してみた。その名の通り、店の前にはえびす像が座っている。9代目店主の中溝一雄さん(79)は幼いころから、店を見守るえびす像の世話を続けてきた。「今まで店をやってこられたのも、力を貸してくれているから」。お茶をあげ、水で洗い、街の安全とコロナ収束も祈っているという。コロナが収束し、みんなが「えびす顔」になれるよう、私も静かに手を合わせた。

 ネットワークによると事前に申し込みがあれば、個人でえびす像を巡る場合のガイドにも対応するという。ネットワーク=0952(40)7137。

 (岩崎さやか)

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