白血病乗り越え…復帰誓う21歳ラガーマン 豪州選手が「希望」に

西日本新聞 大分・日田玖珠版 稲田 二郎

 大分市の日本文理大ラグビー部に、白血病を乗り越えて本格復帰を誓うラガーマンがいる。3年の渡辺大輔さん(21)=同市。1年前に大分で試合があったラグビーワールドカップ(W杯)で、同じ白血病を克服したオーストラリアの選手からサインをもらい、それを励みに地道な努力を続けてきた。「自分も試合に」。希望を胸に前進を続ける。

 大分東明高(同市)の3年の2017年秋、急性白血病と診断された。足の根元が「折れたのではないか」と思うほど痛み、高熱にうなされ続けた。翌年受けた骨髄移植は成功。ただ、その後の抗がん剤治療はきつく、気持ちはなえていった。

 そんな渡辺さんを勇気づけたのがオーストラリアの司令塔、クリスチャン・リアリーファノ選手(33)だった。16年に発病を公表し、骨髄移植や化学療法で病を克服。代表に返り咲き、W杯のピッチに立った。

 「競技復帰するのも難しいのに、強豪国の代表に戻るなんて」。病気になった後に知ったリアリーファノ選手に憧れ、渡辺さんはきつい治療に気力を振り絞った。1年半の闘病生活で130キロあった体重は95キロまで落ち、寝たきりの状態が続いて「走り方も忘れた」。リハビリにも積極的になれない時期があったが、リアリーファノ選手が希望になり、病に立ち向かった。

 2年の半ばから練習に復帰した渡辺さんは激しいプレーはできず、現在も個別にジョギングや筋力トレーニングを続ける。「高校のときは練習嫌いだったが、今は積極的に動くようになった」。試合復帰が見えずに「闇の中を歩いているような気分」になるときもある。そんなときに救いとなるのがリアリーファノ選手のサイン。大分で行われたW杯のオーストラリア戦を見に行き、知人を通じて手に入れた。自室のベッドそばに飾ったサイン入りジャージーに励まされ、欠かさずに練習に向かう。

 永野裕士監督(50)は「彼にとっては風邪ひとつとっても問題で、まして新型コロナウイルスは大敵。そんな中できちんと自己管理して通学し、授業を受けて、ラグビーにも意識高く取り組んでくれている」。高校時代から一緒にプレーする3年の梅田健太さん(21)は「真面目で頑張り屋なのに、高校時代よりさらに真面目になった」という。

 両親の献身もあって体重は現在125キロ。ポジションはスクラム第1列のプロップで、本年度中の試合出場を目標に据える。「病気になったことは仕方がない。マイナスに捉えず、それを乗り越えて人生のプラスにしたい」。言葉に力がこもった。

 (稲田二郎)

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