絵本の世界へ 児童いざなうチェロの旋律 朗読に合わせて演奏

西日本新聞 佐賀版 米村 勇飛

 人のために力を合わせることの大切さを伝えようと、金立小(佐賀市金立町)で19日、阪神淡路大震災の復興支援コンサートを題材にした絵本の読み聞かせがあった。朗読に合わせ、実際のコンサートにも出演したチェロ奏者の中原豊子さん(60)=佐賀市=が生演奏し、優しく力強い旋律を披露した。

 同小では昨年4月に着任した一番ケ瀬(いちばかせ)徹校長(59)の発案でおよそ2カ月に1回、全校朝会での読み聞かせを開いている。校長は音楽にも関心が高く、児童にとってより豊かな体験にしようと、知り合いや音楽団体に働きかけて朗読には必ず生演奏を付けてきた。

 今回選んだ「1000の風 1000のチェロ」(いせひでこ著)は震災の3年後が舞台で、復興支援のチェロコンサートに参加する少年らが主人公。誰かのために頑張ることの尊さをテーマにしており、一番ケ瀬校長によると以前から児童に紹介したい作品だったが、チェロ奏者探しが難航していた。

 半ば諦めかけて、九州のプロとアマチュアの音楽家でつくるオーケストラ「アルモニア管弦楽団」(佐賀市)に問い合わせると、思いもよらず実際のコンサートにも参加した所属メンバーの中原さんを紹介されたという。本番では一番ケ瀬校長の朗読に合わせ、中原さんがコンサートで披露した曲の一部などを演奏し、全校児童約220人を物語の世界に引き込んでいた。

 終了後、6年の江口叶乃(かの)さん(11)は「被災者のために力を合わせたように、今のコロナも力を合わせて乗り越えたい」と目を輝かせた。中原さんは「当時を思い出して、私自身が奮い立ち、感動した」とうなずき、一番ケ瀬校長は「言葉だけでは伝わりきらない部分が、音楽で伝わったならうれしい」と振り返った。 (米村勇飛)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ