衆院任期満了まで1年…迫る解散 与野党、競合選挙区の解消急務

 衆院議員(定数465)の任期満了まで、21日で1年。菅義偉首相の下で迎える初の国政選挙となりそうな次期衆院選に向け、各党の動きは慌ただしさを増してきた。自民党は党内で公認を争う競合選挙区の解消が、立憲民主党など野党も候補の一本化がそれぞれ、急務となっている。

 前回2017年の衆院選で281議席と大勝した自民。289ある小選挙区で280人前後を擁立する方向で、山口泰明選対委員長は「(比例代表と合わせた)現有議席284の死守」を強調する。

 そのためクリアしなければならないのが、現職と新人県議の保守分裂選挙となる可能性が出ている福岡5区をはじめ、「10程度」ある党内競合区の調整だ。選対幹部は「公認を得られない候補も無所属で出馬して身内同士で争う展開となれば、野党に『漁夫の利』を与えるだけ」と懸念する。各派閥間の利害も交錯し、着地点は容易には見いだせそうにない。

 国政選挙6連勝の安倍晋三前総裁下で追い風を受けて当選した1~3期生で、党所属衆院議員の約4割を占める「安倍チルドレン」の当落も鍵を握る。後援会組織など足腰の弱さを指摘されており、「菅首相におんぶに抱っこ、では話にならない」(3期生)と地元に張り付く。昨年末時点の党員数(約108万人)が7年ぶりに減少に転じたこともあり、党本部は「年間千人の新規党員獲得ノルマ」の未達者は衆院選で比例代表重複立候補を認めないとの「ムチ」を示し、尻をたたく。

 公明党は17年衆院選、19年参院選と連続して比例代表票が700万票を割り込んでおり、次期総選挙に集票力の回復を懸ける。

 会員制交流サイト(SNS)も駆使し、全国9小選挙区の現職の支持基盤拡大を担う組織を新設。9月の党役員人事では世代交代をアピールし、党刷新を印象付けた。ただ、新型コロナウイルス禍で支持母体・創価学会が集会などの活動を制限されており、党幹部は首相に衆院解散の先延ばしを働き掛けている。

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 「菅首相か枝野首相かを選ぶ選挙にしたい」。合流により衆参150人の野党第1党となった立憲民主の枝野幸男代表はこう話す。衆院で統一会派を組む国民民主党、社民党と合わせ、過半数の233人以上の擁立が目標。候補者調整が必要な共産党とは距離を縮めており、「最大100選挙区は一本化できる」(立民幹部)と見通す。

 一方、最大の支援組織の連合は、18人の擁立を予定する国民民主も実質支援するよう基本方針を変更した。比例は「原則、立民を支援」としたものの、「股裂き状態」の不安材料は残る。合流前の旧立民と旧国民の候補者が並び立ち、一本化が整っていない小選挙区も複数ある。

 「野党連合政権」の樹立をうたい、比例の全11ブロックで議席獲得を目指す共産、立民との合流協議の成否が大詰めとなっている社民、11月1日の「大阪都構想」の住民投票が党の盛衰を左右する日本維新の会がそれぞれ党勢を拡大できるかも焦点。NHKから国民を守る党、れいわ新選組の動向も注目される。 (郷達也、森井徹、川口安子)

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