ひっそりとたたずむ「幻の石橋」…謎の解明に情熱注ぐ高2

西日本新聞 ふくおか版 横山 太郎

 朝倉地域に隣接する、人目の付かない地にひっそりとたたずむ「幻の石橋」の歴史解明に情熱を注ぐ高校生がいる。福岡県朝倉市の朝倉高2年で、史学部部長の中原透也(とうや)さん(17)だ。石橋は全国的にも数少ない工法で架けられているが、劣化が進み崩壊の恐れもあるという。「貴重な土木遺産を後世に」と橋の由来を調べるが、「まずは多くの人に石橋の存在を知ってもらいたい」と願う。

 石橋は嘉麻市桑野を流れる遠賀川に架設。これまで地図にも記載されておらず、地元でも知る人は少ないという。中原さんは謎の多い石橋の存在を知り、歴史を調べ始めた。

 昨年夏、同部顧問とともに現地調査を実施。各地に残る石橋の多くは石材を横向きで組む工法が用いられているが、同市の石橋は石材を縦向きに組む「リブアーチ式」と呼ばれる工法であることが分かったという。

 測量の結果、橋は全長8メートル35センチ、幅2メートル40センチ。地元の古老などに聞き取りし、昭和初期まで農道として使われていたことも判明。文献調査を加味すると「架橋から少なくとも150年前後経過していると考えられる」(中原さん)という。 橋の名称も文献の一文から「梯(かけはし)」と結論付けた。現在、「掛橋橋」という名称の橋もあることなどから、中原さんは「本家本元という意味で『梯本橋』とするのが良いのではないか」と提案する。

 調査成果は8月に岐阜県で開かれた全国高校郷土研究発表大会で発表。審査員から「推理小説を読むような楽しさ」などと評価され、優秀賞に選ばれた。中原さんは「今後の励みになった。文化財指定に向けた契機になればうれしい。行政に保存、管理してもらいたい」と語る。今後は橋に使われている石材の種類などを調べる予定だ。

 橋の存在について、中原さんは顧問と地図大手の「ゼンリン」に働き掛け、住宅地図にも記載された。

 嘉麻市によると、石橋は管理者不在の状態。橋のひび割れが激しく危険なため、県と協議し現在、橋周辺の立ち入りを禁止している。

 史学部は17日から朝倉市甘木の甘木歴史資料館1階ロビーで石橋の調査成果を紹介するパネル展を開催。24日午後2時からピーポート甘木の視聴覚室で中原さんが調査内容を発表する(申し込み不要、定員先着30人)。資料館は午前9時半~午後4時半。月曜休館(祝日の場合は翌日)。資料館=0946(22)7515。 (横山太郎)

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