宝満川に「ヤギの大将」 話題のおじさんに会いに行ってみた

西日本新聞 筑後版 内田 完爾

 福岡県小郡市の宝満川の河川敷で、ヤギの群れを散歩させているおじさんがいる。口笛でヤギを呼び寄せる、その姿には「ヤギの大将」のような貫禄が漂う。市民からも「ジョギング中に見た」などと目撃情報が相次ぐ話題の人物。会ってみると、「自然の力には自然で対抗するのが一番」などと、自説を披露してくれた。

 昼下がりの宝満川。記者を見るとヤギは逃げ始めたが、おじさんが口笛を吹くと安心してむしゃむしゃと草を食べ始めた。

 おじさんは、市内で貸しビル業を営む成田敏文さん。「若く見られているから、年齢は書かないでよ」と話す通り、教えてくれた年齢よりも若々しく見える。若さの秘訣(ひけつ)は、ヤギたちから絞ったミルクだという。ビルのテナントとして入っている飲食店の従業員にも「遅くまで頑張っているから」と、毎日2リットルを届けている。

 ヤギは除草のために飼っているそうだ。成田さんが言うには、市内に「どうしようもない森」(成田さん)を所有しており、覆い尽くす雑草に困り果てていた。切っても切っても伸びてくる。「それならヤギを投入するか」と2011年からヤギを飼い始めたところ、効果は抜群だった。

 最初のヤギにも孫が生まれて今では11匹。住み家は成田さん宅の庭とその近くに建てられた小屋だ。森の雑草では餌が足りなくなったため、ほぼ毎日、11匹を軽トラックに乗せて河川敷や自宅近くの農道を訪れ、雑草を食べさせている。宝満川の一部を管理する国土交通省には、散歩なら良いと了承を得ているという。

 大学の獣医学部や近隣市町の農家から、ヤギを譲ってくれと引き合いがあるという。「雑草は減らすし、ミルクの恵みもある」とヤギの魅力を力説する成田さん。循環型社会を実践する姿に感心した。 (内田完爾)

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